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昨年末にうっかり忘れてしまっていたので、年度末に合わせて2005年度のベスト5を。
 
・ 梅本洋一
・映画

Triple agent(ロメール)
Rois et reine(デプレシャン)
Milliondollar Baby(イーストウッド)
Les Invisibles(ティエリー・ジュス)
Hollywood Ending(ウディ・アレン)


「再婚の喜劇」Comedy of remarriageがもっともっと見たいぞ!



・others

青山真治『死の谷95』(小説)
銀座キャンドルのチキンバスケット(食事)
赤倉観光ホテルのサービス(リゾート)
早稲田対トヨタ(ラグビー)
マドレーヌ・ペールー『Careless Love』(CD)

見たり聞いたり読んだりしてぞくぞく──感動にうちふるえたということ──したもの。
 
 
・ 衣笠真二郎
・映画

『ミリオンダラー・ベイビー』(クリント・イーストウッド)
『ビフォア・サンセット』(リチャード・リンクレーター)
『描くべきか愛をかわすべきか』(ラリユー兄弟)
『バッド・エデュケーション』(ペドロ・アルモドバル)
『世界』(ジャ・ジャンクー)

骨太の演出が圧巻。最後にソン・ガンホが見せたやるかたない表情、そして殺人現 場となったあのあぜ道の乾きぶりがすばらしい。



・others

「時間の終わり」展(杉本博司)
『千々にくだけて』(リービ英雄)
「AKARI」(イサム・ノグチ)
下田港の鯛寿司
「昭和住宅メモリー」(X-knowledge home別冊)

おもしろかったもの、あるいはおいしかったものを雑多に5つ。「AKARI」は、 いくつかのイサム・ノグチ展を見た後で手に入れることになった。旅行で訪れ た下田では、ただひたすら鯛の刺身や寿司に感動。真鯛、小鯛、黒鯛、金目鯛 ……。干物も美味。
 
 
・ 黒岩幹子
・映画

『さよなら、さよならハリウッド』ウディ・アレン
『ロード・オブ・ドッグタウン』キャサリン・ハードウィック
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』青山真治
『ミュンヘン』スティーヴン・スピルバーグ
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』デヴィッド・クローネンバーグ


05年4月から06年3月までに劇場公開された作品から順不同で。敢えて外した映画も、失念している映画もあるかもしれないが、いまの私個人のなかでは順当な5本。特に共通点があるとは思わないが、5本とも(実は?)シンプルで、それゆえの強さを持っているように感じた。



・others

『むすび』羅針盤
『漣健児コレクション』
『Carpal Tunnel Syndrome 』デレク・ベイリー
『Dreams Come True』ジュディ・シル
『追悼ケンドー・コバヤシ』


ベストというよりは追悼ということで5枚。正確に言えば4枚目のジュディ・シルはとっくの昔に亡くなった人だし、最後のDVDは単に語呂合わせでしかないが。 『むすび』と『Dreams Come True』を何度も聴いた。 特に、チャイナさんの死と羅針盤の解散は、取材で一度お会いしただけだったが、自分でもどうしてだかわからないほどショックだった。
 
 
・ 田中竜輔
・映画

『ミリオンダラー・ベイビー』クリント・イーストウッド
『ライフ・アクアティック』ウェス・アンダーソン
『アコード・ファイナル』ダグラス・サーク、イグナツィ・ローゼンクランツ
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』青山真治
『キングス&クイーン』アルノー・デプレシャン


順不同。どのフィルムも上映後にホールの外へ出た瞬間、それまでとはまるで空気が違って感じられたことを良く覚えています。



・others

TORTOISE Live at metamorphose2005
晩夏の修善寺、午前零時からの1時間はまさに至福の時間でした。会場となったサイクルスポーツセンターには10年以上前に行った覚えもあるのですが、その時のことはあんまりよく覚えていません。気候にも恵まれ、ビールをひたすら呑んだ一晩。

『JOY』YUKI
彼女の歌を積極的に良いと思ったのは初めてでした。シングルCDをほとんど聴かないので最近の曲は良くわからないのですが、新譜が楽しみ。

『王手飛車取り』(DVD)ジャック・リヴェット
シャブロルの『美しきセルジュ』とのカップリングでのDVD化、そして初ソフト化。とにかく観たいと思っていた作品だけに素直に嬉しかったのですが、スタッフ・キャストに改めて唖然。

『生物から見た世界』ユクスキュル/クリサート
アガンベンなどの書籍でたびたび名前を目にしていて気になっていた一冊が文庫化されたので即購入。ユクスキュルの文章とクリサートの不思議なイラストだけで世界が変質していく経過に素直に魅せられました。昔から理科が好きじゃなかったのに、図鑑を読むことだけは好きだったことを思い出します。

『REFUGEE』Refugee
前々から探していた一枚。パトリック・モラーツがYESに加入する前にやっていた3人組のバンド。各パートの技術のデコボコさ加減だけで楽しめる一枚。中古で発見して喜んでいたら、昨年末に復刻盤が発売されました。そういうことかと納得したものの、何だか少し負けた気分。でも、この一枚がきっかけで昨年後半は色々とプログレを聴いていました。それにしてもここ最近プログレのリイシューがやたらと多いのはなぜなんでしょう。気がついたらまたクリムゾンの紙ジャケが再発されていました。「これが最後か?」とレコード店のPOPにまで書かれていてちょっと笑ってしまいました。もちろんクリムゾンは大好きなんですが。
 
 
・ 松井 宏
・映画

コメディ(とくに「ラブコメ」)はいまどこにあるのだろう? 各国のテレビドラマ、さらに、もはや世界中で市民権を得たリアリティ・ショウにしか存在しなくなったのだろうか。でも映画がコメディを失うのはとても嫌だ。僕らの人生を少しだけグラマラスにしてくれるアメリカのコメディ映画を、だから以下に挙げてみた。

(ABC順)

『A lot like love』(ナイジェル・コール)
デミ・ムーアとの年の差カップルで話題のアシュトン・カッチャーだが、彼は現代の僕らの「男の子」になれる資格があると思う。アマンダ・ピートと演じたカップルは昨年のベストカップル。

『Just Like Heaven』(マーク・ウォーターズ)
ここにはサークの窓がある。メロドラマに欠かせない「奇跡」が十全に現れた近年でも稀な作品。『ゴースト』で凡庸化されてしまった幽霊と人間の恋を新たに再生させたフィルム。とても心が躍った。

『Monster-in-Row』(ロバート・ルケティック)
近年のコメディには度々シャーリー・マクレーンが祖母として現れる。腑に落ちる話だ。けどジェニロペと恋に落ちる息子の母にジェーン・フォンダが扮するとき僕らはとても感動する。そこにはクラシックのラブコメを経験できなかった彼女の哀しみがあるからだ。

『Rumor Has It...』(ロブ・ライナー)
腐っても鯛。腐ってもゲイリー・マーシャル。仕事重視の女性=モード界の女性というハリウッドの黄金定式を用いつつ、宗教の違いさえも適当にこなして恋に繋げる。それが僕らの「実際」の人生だ。

『The Upside of Anger』(Mike Rinder)
だがいまケヴィン・コスナーを見るとはどういうことなのか? HDカメラのベタ塗りが強調されるシネスコ画面に、熟年の男と女の恋が描かれる。50年代のメロドラマを80〜90年代を終えた現在に移植するときのこの捩れ。

『Wedding Crashers』(デヴィッド・ドブキン)
オーウェン・ウィルソン、ヴィンス・ヴォーン。過去の「スター」たちのパロディとしてしか存在できなかった彼らが、それでも現在の恋愛を体現しようとする。そんなふたりをウォーケンがやさしく厳しく見つめている。

『デンジャラス・ビューティ2』(ジョン・パスキン)
90年代ジュリア・ロバーツの裏側で「姉御」としてタンクトップで走りつづけたサンドラ・ブロック。ラブコメが全然似合わなかったサンドラ・ブロック。そんな彼女を笑いながら肯定するこのフィルムは多くの女の子たちに勇気を与えるはずだ。

『イン・ハー・シューズ』(カーティス・ハンソン)
かつてメロドラマには欠かせなかったテクニカラーの世界がここで過剰な原色に彩られたマイアミの養老院に変わり、もう「年老い」始めたキャメロン・ディアスがそこへ赴く。彼女は再生の手段として「読むこと」を学ぶ。そんな姿に僕はとても感動した。

『ダウン・イン・ザ・バレー』(デヴィッド・ジェイコブソン)
コメディではない。だがここでのエヴァン・レイチェル・ウッドを無視することはできない。ソンドラ・ロック、あるいは『地獄の逃避行』のシシー・スペイセクと同じように、このブロンドロリータは僕らの時代の「女の子」の夢と悪夢を体現してくれる。
 
 
・ 結城秀勇
・映画

『Clean』(オリヴィエ・アサイヤス)
『キングス・アンド・クイーン』(アルノー・デプレシャン)
『ビフォア・サンセット』(リチャード・リンクレイター)
『大いなる幸福』(エルヴェ・ル・ルー)(1993)
『ジョナスは2000年に25歳になる』(アラン・タネール)(1976)




・others

『黄金の声を持つ少女』(ジャン=ジャック・シュル)
「That's the sprit」(『Dreams Come True』 ジュディ・シル)

2005年度のベストだが、2006年が明けてから考えていることに絡めて。 参照軸として、3月いっぱいまで東京日仏学院で行われていた、アルノー・デプレシャンによる特集プログラム「人生は小説=物語(ロマン)」と、3月17日まで吉祥寺バウスシアターで行われていた「ロスト・イン・アナザー・アメリカ」を。 この背後に『ミリオンダラーベイビー』(クリント・イーストウッド)『アワーミュージック』(ジャン=リュック・ゴダール)『ライフ・アクアティック』(ウェス・アンダーソン)があっての選択。若者が死に、老人が生き延びるのではないものを選んだ。 人生とそこに潜む関係性の糸、そして「あらゆる過去がいまこの瞬間に息づいている」(『ビフォア・サンセット』)こと。 『ジュデックス』(ジョルジュ・フランジュ)にも驚いた。展開の恐るべきスピード感と、忘れられぬ異様な造形。 ひとつの発見として山形国際ドキュメンタリー映画祭で見た『ダーウィンの悪魔』(フーベルト・ザウパー)の名もあげておきたい。
 
・ 渡辺進也
・映画

『CLEAN』(オリヴィエ・アサイヤス)
『ライフ・アクアティック』(ウェス・アンダーソン)
『絵を描くべきか愛を交わすべきか』(アルノー&ジャン=マリー・ラリユー)
『白塔』(スー・チン、ミー・ナー)
『エリザベスタウン』(キャメロン・クロウ)


並びは見た順番に。2005年に最も心揺さぶられた5本を選びました。今年も多くのアメリカ映画を見ましたが、『ライフ・アクアティック』にはただただ驚かされました。そこには様々なものがあるように見えて、実は何もなかったのではないかという気がしています。選んだ5本に無理やり特徴を見つけようとすれば、結末がはじめの状況と変わらない、もしくは最初の状況に戻るという再生の話かもしれません。そして、音楽が彼らを導いている。それは、ある種の傾向というよりは、単にそういう話が個人的に好きだということかもしれませんが。 ちなみに、最も困惑させられたのはスピルバーグの『宇宙戦争』でした。どうしていまこうした題材を選んだのかというところから、いろいろと「なぜだ」というのが未だに頭の中で回り続けています。



・others

ジェフユナイテッド市原・千葉 ナビスコカップ優勝
2005年はジェフの試合を15試合近く見にいきました。その中で面白い試合は他にもありましたが、勝てなかった頃のことを知っているだけに勝つための試合をして見事勝った試合を選びました。この試合の阿部勇樹は凄かった。

スポーツナビ「犬の生活」西部謙司
ジェフの試合を中心に、スポーツナビで連載していた西部さんのコラム。現在、試合そのものについて書くことのできる数少ないサッカーライターのひとりではないでしょうか。ここでサッカーの見方を教わった気がします。

『SOFT&HARD』佐々木敦
それまでのような特化した人や対象に向かうのではなく、幅広い分野を扱い、時代に寄り添っていこうとする佐々木敦さんの2005年の仕事を象徴するかの書籍。その変化に戸惑うところもあるのですが、この変化をもう少し見ていきたいと思いました。

『四十日と四十夜のメルヘン』青木淳悟
チラシの裏に書かれた同じ日付をひたすら繰り返す日記とそこに絡んでくるふたつの物語。だけれども、物語とはとても遠く離れたところにある小説。この小説にある停滞感が好きでした。

トムヤムラーメン ティーヌン西早稲田本店
疲れているときや体調の優れないときに無性に食べたくなります。かといって、体調が良くなるわけではないのですが。他の支店も試してみましたが、微妙に味が違うのか西早稲田本店ではないと駄目でした。