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January 27, 2004

ラグビー トップリーグが終わった

[ book , sports ]

今シーズンから始まったラグビートップリーグが閉幕した。優勝は神戸製鋼。この日は、東芝対サントリー、神戸対Cのゲームが同時刻にキックオフ。NECを除くどのチームにも優勝の可能性があった。僕らはスカパーのふたつのチャンネルをザッピングしながら経緯を見守る。だが、東芝対サントリーの解説をしていた小林深緑郎が「ゲームが終わるまでは優勝がどのチームに行くかではなく、ゲームに集中しましょう」と語るのを聞いて、深く同感。以後、ザッピングをやめ、神戸対NECはビデオに録画することにする。
モール、ラックではなく、立ってプレーをし、繋いでいく東芝のラグビーが全開。縦横無尽にパスが継続し、ラックからフェーズを重ねようとするサントリーを圧倒する。接点でボールの出が遅いサントリーがアタックに移るとき、東芝のディフェンス網は完全に形成されている。結果は50-10の圧勝。点を取られても、もっと点をとって勝つというサントリーにスタイルには、何度も苦言を呈しているが、大久保直也が欠場したとはいえ、これほどザルなディフェンスではダメだ。特に、小野澤、栗原がひどい。アタックには才能を見せても、ディフェンスは、愚鈍さが必要なのだ。対神戸製鋼戦以来、東芝の好調さが続く。東芝のスタイルには好感が持てる。
そして神戸対NEC。ラストに大原がトライし、神戸の優勝が決定した。でもゲームとしては見所の少ないゲームだった。モールを中心に攻める両チームは、「フレア」の破片もないプレーしかできない。神戸の再生──結局優勝は神戸だったが、東芝とサントリーに敗れている──には、ラグビーについてのコンセプトの変更が強く求められる。今は、伝統の力で勝っている──昔の名前──にすぎない。
トップリーグが成功に終わったかどうかは分からない。スタンドには閑古鳥が鳴いていた。好ゲームも多かったが、1勝もできずに終わったワールドカップのジャパンが原因だろう。人々のラグビーへの関心が低くなっていることは確かだ。だが今後、マイクロソフト・カップ、日本選手権と東芝に注目してみよう。このラグビーにはもっと延びしろがあると思う。

梅本洋一