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May 18, 2004

ラグビー 韓国対ジャパン

[ cinema , sports ]

対韓国定期戦。興味は、監督に就任した萩本光威の初戦ということだ。結果は19-19。負けなかったとはいえ、大きく力の差のある相手に引き分けてしまった。個々の力の差は確かにある。だが、いったいどんなラグビーを指向しているのか見ている者には誰も分からなかった。ただダラダラとゲームをし、カウンターから一発で抜かれて7点差に追い込まれてからもジャパンの選手たちは一向に目が覚めなかった。タックルが高い。ノックオンが多すぎる。そういった初歩的なミスが多かったが、力の差がある相手には圧倒して勝たねばならない。メンバーが揃わない、一緒に練習する時間がない。それらは単に言い訳に過ぎない。
前のチームで良かったディフェンスの上にアタックを積み上げ、点の取れるチームにしたいというのが萩本の抱負だった。だが、ワールドカップで全敗し、しかもまったくボーナスポイントの取れなかったチームのディフェンスがよいと言えるのか。大畑をアウトサイドセンターにしたのが作戦の唯一のものだったが、まったく機能していないにもかかわらず、バックラインで存在感を示した唯一の選手である向山を元木に代えた。代えるなら平尾剛であって、元木、向山とハードタックラーをセンターに並べ、大畑と小野澤で攻めると見せかけて、元木、向山で内側。戦術はこれでよかったはずだ。トップリーグでは優勝したが、マイクロソフトカップも日本選手権を取れなかった神戸製鋼から、4人を先発させた元神戸製鋼のヘッドコーチは、やはり自分のチームのことしか知らないし、インターナショナルマッチの経験がほとんどないことを露呈させてしまった。出足の良い韓国のディフェンスに足が止まり、ようやく内が抜けることに気づいた瞬間、内側を2度抜いた切り札を代えた。ゲームを読む能力の無さを監督自らが示してしまった。
ではどう戦えば良かったのか?まずはバタバタと戦う韓国に対してセットプレイを安定させること。スクラム、モールでゆっくりと攻め、狭い地域にこだわりを見せて、ディフェンスを集中させた上で、外側に振る。これで30点差はついたはずだ。ハーフタイムの萩本の指示は、もっと早く外に振れ、ということだったとレポートが入ったが、もっとゆっくりと攻めろが衆目の一致した見方だろう。それにしても斉藤祐也の出来は悪い。こうしたチームにあって、第3列の出来が悪ければ、敗戦を覚悟しなければならない。
強化委員長・勝田、監督・萩本のコンビで、これから始まる対ロシア戦、イタリア戦などまったく期待できない。

梅本洋一