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August 16, 2004

アテネオリンピック バレーボール 女子1次リーグ ブラジル対日本

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強豪ブラジルに日本はストレートで負けた。ブラジルは金メダル候補でもあり、誰もがしょうがない敗北だと思うかもしれない。しかし、20年ぶりのメダルを狙う日本にとって、この敗北を次に生かさなくてはいけない。
日本はブラジルに対しまったく自分たちのプレーをさせてもらえなかったが、それは基本的なプレーができていなかったということだ。チームのほとんどの選手がはじめてのオリンピックで浮き足立っていたのは事実だとしても、ミスが多すぎた。サーブミスも多かったが、何よりもサービスレシーブをしっかりとセッターに返さなければ、日本の場合は攻撃にならないのだ。身体能力の面で世界の強豪よりも遙かに劣る日本の攻撃の要は、相手の想像、判断を超えたコンビネーションにあり、だからこそ見ていておもしろいのだが、それができなかったのがこのゲームの敗因だろう。逆に、ブラジルには速攻をがんがん決められていた。
ブラジルの、男子バレーのような角度のあるバックアタックには、はっきり言って、対処のしようがないが、レフトからのスパイクはもっと拾えてもよかった。ブロックの上から打ち込まれていたわけではなく、ブロックに消されていないコースを狙われていたから、レシーバーがブロックを見て瞬時に判断し、そのコースにポジショニングするべきだった。つまり、守備面でも日本はブロックとレシーバーの「連携」ができていなかったのだ。
日本は基本的なことができなかった。日本の持ち味である、コンビネーション、連携プレーは、ひとりひとりが基本的なことをしっかりとやらなければ生まれない。基本の積み重ねが応用へと発展する。オリンピックという「晴れの」舞台が教えてくれたのは、そんなバレーボールの、ひいてはスポーツの「地味な」側面だった。

須藤健太郎