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February 8, 2005

アーセナル、諦めるな!

[ architecture , sports ]

ミッドウィークの対マンU戦に2-4の惨敗をきっし、今シーズンのプレミアシップを諦める旨、発言したヴェンゲル。そして、次節の対アストン・ヴィラ戦の前半は3点取り、後半はバタバタしたが、結局3-1でアウェイの勝利を飾ったアーセナル。このゲームには、久しぶりにGKにレーマン、ミッドフィールダーにエドゥーを起用。前半は完全にゲームを支配し、アンリが好調なら、あと2点は入っていたゲームだった。4-0に持ち込んで、相手を諦めさせたホームの同じカードの勢いは今のアーセナルにはない。
だが、幸運なことに、チェルシーがマンチェスター・シティと引き分け、勝ち点の差は12のままだ。マンUとの勝ち点差は2。つまり失望する事態はまだ訪れてない。このままチェルシーが独走するなら、仕方がないが、今期、あと12 ゲーム残っている。ひとつひとつ勝ち点3を拾いつつ4月の直接対決まで我慢すれば、まだチャンスはある。それにFAカップもチャンピオンズ・リーグも残っている。「失望」は早すぎる。
我慢するにはどうしたらよいのか? まず最近の長身の悪さの原因をつかみ、それを修正し、次のゲームに臨むという単純なことの繰り返ししかない。まず原因──多くの人が語っているとおり、失点の多さにつきる。昨シーズンに比べ、1ゲームで0.5点多く失点している。安定した戦い──チェルシーのように1-0 で勝ちきる──は望めない。対マンU戦の場合、ロナウドに決められた2点の原因は、中盤でのミスとそれに続くローレンのポジショニングの悪さだ。この右サイドバックには昨シーズンから悩まされたが、今シーズンは、特に戻りが遅い。そして、中盤のプレスの薄さ。昨年なら、ヴィーラ、ジウベルトでアタックを遅延させることができたが、今年はヴィーラの調子の悪さとジウベルトの怪我で、ヴィーラのパートナーが安定していない。確かに、セスクは今シーズン最大の発見だろうが、1シーズンを通して活躍するには経験が足りない。対ヴィラ戦に出場したエドゥーの安定したプレイぶりは、大きなオプションになる。
だが、以上のことは、対処療法にしかならない。アーセナルのプレイ・スタイルは、徹底したポゼッションと早いパス回しであって、中盤のプレスは、ポジショニングを遅らせることになる。この際、0,5点に目をつぶり、もっとアタックを仕掛けたらどうだろう。ピレスをボランチに起用し、パートナーをフラミニ、セスク、エドゥーのスクランブル、そしてヴィーラをキャンベル不在の間はセンターバックに起用する。ヴィーラから最近起点ができていないので、彼の身体能力を活かすにはもう1列下げるのも選択肢だろう。我慢するには対処療法だろうが、もう一段プレイの質を上げることのほうがフットボール・ファンにとっては面白いし、チャンピオンズ・リーグへの重要なオプションになるのではないか。

梅本洋一