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June 13, 2005

ラグビー テストマッチ 日本対アイルランド 12-44
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 長居の30度の蒸し暑さ。かつてのジャパンなら、気候条件まで味方につけて、それなりのゲーム運びをしたろう──91年の同時期に秩父宮でジャパンがスコットランドを敗ったゲームを思い出しているのは私だけだろうか──が、誠実なプレーに徹したアイルランドに完敗した。特別なことをしてくるわけではない。しっかりとタックルし、しっかりとボールを繋ぐ基本的なラグビーの前にジャパンはなす術なく敗戦した。トライ数0-4、ジャパンの得点はすべてPGのみ。最終的な点差以上にアイルランドの圧勝だ。
 このゲームを見る限り、とりあえずの処方箋はない。ラックでのボール出しが遅く、マイボールでのアタックはキックのみ、しかもラインアウトが完敗。スクラムでもプレッシャーを受け続ける。そして両ウィングのタックルは緩い。勝ち目はない。否、セレクションを変え、監督、コーチを変え、モティヴェーションを高める以外、本当に何の処方箋もない。それくらいジャパンはどん底なのだ。長い南米遠征とスーパーカップを経てきているのに、チームとしての熟成がないというのは、コーチングの欠落でしかなかろう。平均体重差は前5人を比較すれば、2キロ弱。黄金時代のジャパンなら、この数字は差ではなかった。ブレイクダウンでことごとくやられるのは、ボール奪取能力が低いからだ。ラインにボールが渡っても抜けないのは、クラッシュ型のセンターばかりをセレクションするからだ。エリサルドも含めて、コーチ陣は退陣すべきだろう。度重なる不祥事と無責任体制。管理責任ばかりではなく、ゲームについても責任を負えないコーチ陣。どうやってトライをとるのかという形を示すこともできない。バカのひとつ覚えのようにキックばかり蹴るスタンドオフ。ボールが出てもラインがないので、劣勢なFWなボールを戻すしかないスクラムハーフ。
 先日、ライオンズとニュージーランド・マオリのすさまじいゲームを見た。気力と戦術の限りを尽くして戦うマオリに感動さえ覚えた。そのライオンズに12名の選手をとられたスカスカのアイルランドに無抵抗で完敗するジャパン。「最後まで僅差でついていき、ラスト10分で勝負」という戦略だったと語る萩本光威。前半から次々にPGを決められ、ゲームをコントロールされて、それでおしまいのゲームをどうやって僅差につけていくのか? この人を代えなければどうしようもないのは誰にも判っているはずなのに。来週の秩父宮は無観客にするくらいの運動はないのか?