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February 16, 2006

サッカー アメリカ対日本 3-2
梅本洋一

[ photo, theater, etc... , sports ]

 ロスタイムに中澤が決めようともう遅い。ボコボコにやられてしまったゲーム。スタッツが物語る。前半の日本シュートはゼロ。アメリカは20本程度。3-6-1で久保がワントップを張ったがボールが来なければ木偶の坊。加治とアレックスの裏を何本もパスを通される。ゲーム後に小笠原が、相手はひとつになっていたと言ったが、その相手をどうやってかわし、どうやってシュートで終わらせるのかという方法論がまったく欠如していた。
 処方箋としてはまずフォーメーション・チェンジ。加治とアレックスをつかれるのなら、アーリークロスが多用されるのなら、パスの出所(ドノヴァン)をしっかりマークすること。そのためには伸二の位置をひとつ下げて、トリプルヴォランチもオプションのひとつだったろう。その証拠に伸二と小笠原は前半ほとんど消えていた。3-4-2-1を3-5-1-1でも仕方がないと考えればそれでよい。そして後半はきっぱりと4-4-2のボックス型で攻めていく。そうすれば0-1で後半に入れたのではないか。
 たとえば久保のワントップ、その背後に伸二と小笠原と決めておいてもゲーム中にこれほど押し込まれれば、自分たちでフォーメーションを変え、じっくりと我慢できるようなフットボールができないのだろうか。その意味で、このチームの選手はまだまだ青い。中田英寿がいないと、ゲームプランを変更できる選手がいなくなる。
 自分たちのサッカーをする、という言葉がある。確かにポゼッションを上げれば、そういう展開にもなるだろう。だが、アタックの練習ではなく、敵がいて、彼らも「自分たちのサッカー」がしたい。だから、キックオフ直後のせめぎ合いで相手のペースになることもよくある。そのときにどうやってしのぐのか。もちろん1対1に負けないという精神論もあるけれども、それ以上に、敵はこうやって攻めているから、自分たちはこう守ろうというゲームの中での戦術変更、インテリジェントなシフトチェンジが必要だ。ゲームを読む力をもっと養わなければ、ヒディンクのオーストラリアに負けるぞ!