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January 29, 2007

マイクロソフトカップ準決勝 ヤマハ対サントリー 39-40、東芝対トヨタ 38-33
梅本洋一

[ architecture , sports ]

トップリーグのプレイオフになるマイクロソフトカップは成功している。今日の2ゲームは今シーズンのラグビーの中で最高のゲームだった。花園のヤマハ対サントリーも、秩父宮の東芝対トヨタもノーサイドのホイッスルまで勝負の行方が分からないという意味ばかりではない。勝ち点で争われるリーグ戦とノックアウトシステムのトーナメントの両方の興味がこのプレイオフで味わえる。
つまり、ヤマハもトヨタも素晴らしかった。20-40と20点差はラグビーでは絶望的な数字だと思うが、60分過ぎから一気に差を詰めたヤマハの諦めないラグビーは清宮の冷や汗を誘ったろう。ロスタイムでワントライ差に詰めたトヨタをしっかり受け止める東芝の底力には感嘆した。
サントリーは進化しているが、弱点の補強はできていない。弱点はスタンドオフ。菅藤心はアタック。ディフェンス共に物足りない。菅藤、沢木を今シーズンは併用しているが、そのどちらも物足りない。両ウィングにポイントゲッターがいるとは言え、このチームが、清宮が発言するほど強くないことは清宮自身が一番知っているだろう。スタンドオフが弱い上に、平均的な選手が並ぶFWもごく普通だ。強いと自己暗示をかけてやっとここまで来た。
それに対して、トヨタの捨て身のアタックをすべて受け止めた東芝は強い。トヨタが東芝陣で仕掛ける多彩で考え抜かれたアタックを東芝は耐え続け、少ないチャンスをすべてトライに結びつけている。ゴール前でのディフェンスの厚さは感動ものだ。今日のようにモールを止められても、バックスの走力でトライがとれる。マクラウド、廣瀬はいい。
さて来週は決勝。予想通りのカードになってラグビーファン全員が期待している好ゲームが見たい。どんな展開になるのか? 今日のサントリーの出来なら東芝が勝つだろう。2トライ差くらいか。サントリーはどうやれば勝てるのか? 清宮は、3週間前の豪雨の府中ダービーのようにブレイクダウンで負けないように選手たちを鼓舞するだろう。そこで負けていては確かに勝機はないが、ブレイクダウンで勝る力はサントリーにまだない。今日の東芝のゲームを見れば誰でもそう思う。ぼくならば、早いラックでボールを出し、ライアン・ニコラスをマクラウドにぶつけていく。そして、小野沢、平で勝負だ。ニコラスのポイントからワイドに振って、外で勝負。それができればイーヴン。キープレイヤーを潰すことで相手のアタックのキーを消していく。ブレイクダウンの勝負は、それからだ。でも、今年はまだ東芝だろうな……。