journal

« February 13, 2007 | メイン | February 18, 2007 »

February 14, 2007

『魂萌え!』 阪本順治
槻舘南菜子

[ cinema , sports ]

 風吹ジュンの束のような白髪。深く刻まれた頬のしわ。フライパンを擦るもう若くはない手。それらの部分には、一人の女性の生きた時間が確実に刻み込まれている。彼女の時間の集積、老いを、まざまざと映し出す所からこのフィルムは始まるのだ。  夫の死後、風吹ジュンは夫の過去を辿るのと同時に、過去は形を変えて彼女を襲いにやってくる。夫に十年来の愛人がいたこと、彼が杉並蕎麦の会に通っていたこと、ゴルフクラブの会員...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:17 PM

柳宗理 生活の中のデザイン展(東京近代美術館)
梅本洋一

[ photo, theater, etc... , sports ]

 家具や食器など生活必需品で気に入ったものを探すのはすごく大変なことだ。椅子ならば、座れれば良い。ナイフなら切れれば良い。それを基準に据えれば、選択は簡単だ。どこにでもそうしたものは置いてある。でも、面倒なのは、椅子もナイフもなかなか壊れないことだ。ひょっとすると、孫子の代までそれらは引き継がれるかも知れない。だから、自分のしょうもない美観を頼りに、いろいろなカタログを見たり、実際にショップを訪問...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:23 AM

東京工業大学緑が丘1号館 レトロフィット
梅本洋一

[ architecture , cinema ]

 職場の建物が耐震改修工事に入るので、その工法のワーキンググループの主査を言い渡され、その一環として、大学の建物の耐震改修工事としては話題の東工大緑が丘1号館を見学に行った。同行者は、北山恒さん、下吹越武人さん、田井幹夫さん、耐震の専門家である田才晃さん、そして勤務先の学部長、そしてぼく。  東急大井町線の中からすでにレトロフィットと命名されたファッサードが個性的なその全貌を見せていた。なんだかポ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:20 AM