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November 4, 2007

アーセナル対マンチェスター・ユナイティド 2-2
梅本洋一

[ sports , sports ]

 序盤戦の首位攻防戦。
 こういうゲームはよくつぶし合いになるけれど、このゲームも例外ではなかった。アーセナルに流れるような連動性が見られず、マンUには、カウンターの切れ味がない。アーセナルのミッドフィールドのアタックに対して、マンUのアンデルソン、ハーグリーヴズの専守防衛。ゲームは必然的に停滞してくる。だが、その停滞も眠気を誘うものとは反対の、局地戦の攻防というか、一時代前のセリエAの「ハンカチーフ一枚」の上の攻防に似たもの。
 かつてアーセナルは、中盤を徹底してつぶされると勝利から見放されたものだが、今シーズンは、両サイドの上がりとペナルティエリアの外側からのミドルシュートもあるから、ミッドフィールドの混雑を交わせるようになっている。サニャ、エブエの右サイドとクリッシーの左からの上がりは、セスクのミドルと共に、今シーズンのアーセナルを象徴している。
 だが、もちろん、このチームは、その若さゆえにまだ発展途上。ギャラス、トゥレの老練なセンターバックに支えられたものであることは確かだ。サイド攻撃が急増したことは、ロシツキ、フレブのパス交換からの崩しが減っていることの裏返しだし、アンリがいないから増えたミドルもまだ実践しているのはセスクだけだ。ロシツキもフレブももっと打つようになれば、本当に壊しチームになるだろう。
 だが、このゲームを見ると、マンUの厚いディフェンスから最終的には2点とっている。つまり、負けないチームには仕上がってきている。先週のリヴァプール戦もこのゲームも1点ビハインドから追いついている。アーセナルの両サイドの上がりを見ると、このチームが1〜2点失点するのは仕方がない。形としては2バックであり、ギャラス、トゥレが裏を取られるが十分に考えられる。4シーズン前の無敗優勝の時のように、ディフェンス、ポゼッション、そしてアンリという形はない。だからいずれ負けると思うが、あのチームよりもこのチームの方がずっとスペクタキュレールであることも事実。負けてもいいから、もっとアタックを!
 スーパースターはいないけれど、クライフ時代のバルサのようなチームになる可能性を持っていると思う。