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April 30, 2007
『カイマーノ』ナンニ・モレッティ結城秀勇
[ cinema]
これは難航する映画製作についての映画であるが、今回の主人公は映画監督ではないし、それを演じるのもナンニ・モレッティ自身ではない。代わりにシルヴィオ・オルランド演じる、長らく映画製作から遠ざかってしまっているかつてのB級映画のプロデューサー・ブルーノが主人公である。彼の久しぶりの復帰作となるはずのコロンブスについての映画が、長年の友人であった監督の降板によって実質製作不可な状態となる。追いつめられ...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 07:34 PM
『カイマーノ』ナンニ・モレッティ田中竜輔
[ cinema]
「うまくいってる?」と聞かれたら、いつだって大声で「そんなわけない!」と言い返さなきゃならない。「万事快調!」なんて瞬間はそうそう訪れるはずもなく、誰もが常にトラブルを抱えている。斜め読みした脚本をサスペンス映画と勘違いしてヒットするはずもない政治映画の製作を請け負ってしまったり、別居中の夫が新しく知り合った男性からプレゼントしてもらった素敵なセーターをズタズタにしてしまったり、12個の突起を持...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 05:38 PM
April 29, 2007
『ラブソングができるまで』マーク・ローレンス松井 宏
[ cinema]
もしその原題が『ソフィとアレックス』であったならこのフィルムはまったく別物になっていたのだろうが、つまり実際の原題『Music and Lyric』とある通り『ラブソングができるまで』の男と女には自分の名前を獲得する前に、つまり恋をしてカップルを作る前に、まずせねばならぬことがあるのだった。もちろんそれはひとつの曲を一緒に作るということ。
男ヒュー・グラントは80年代元超売れっ子ポップスターで...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 01:23 PM
April 21, 2007
『サンシャイン2057』ダニー・ボイル松井 宏
[ cinema]
久々ではないかと思われるB級宇宙SFフィルムとして確かにこのフィルムは楽しめてしまうのだが、しかし死に瀕した太陽を再び活性化させるミッションを課されたクルー8人のなかに誰一人悪くてヤバい奴がいないというのは、これはいったいどういうことか。密室内での常套たる心理的なぎりぎりした諍いや、腹黒さの浮上という説話の糸がほとんどないのである。冒頭からほとんど流れるままに進行し、いきなりキャプテンが犠牲的精神...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 12:49 AM
April 19, 2007
『サッド・ヴァケイション』青山真治梅本洋一
[ cinema]
この壮大なフィルムをわずかな字数でまとめることなど不可能なことだろう。
ジョニー・サンダースの『Sad Vacation』を背景に若戸大橋が映し出されるヘリコプター・ショットでの壮大な開幕。だが、その風景の壮大さと比べて、このフィルムが展開するのは四方がわずか数キロの極小の空間だ。その中心にあるのが、間宮運送。行き場をなくした者たちが集う運送会社。そこにやってくるのが、『ユリイカ』の梢(宮崎あ...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 02:12 AM
April 17, 2007
『パリの中で』クリストフ・オノレ結城秀勇
[ cinema]
田舎での恋人との生活がうまくいかなくなり、弟と父の住むパリの実家へ帰ってきた兄。外国あるいは地方からパリへ出てくることがキャリアの転換点(そしてもちろん恋愛の転換点)になる映画は数あれど、パリへの帰郷という設定自体があまり耳慣れない。そしてそのパリへ帰ってきた本人、ロマン・デュリスは欝気味で部屋から出ることもなくベッドの上でごろごろしているばかりだ。彼はパリを見せてくれない。その代わり、ルイ・ガ...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 11:31 PM
April 16, 2007
『天使の入江』ジャック・ドゥミ結城秀勇
[ cinema]
82分間に流れる各瞬間があまりに激しい。ミシェル・ルグランのピアノが流れ始めた途端に、ほんのわずかにジャンヌ・モローの顔を写しただけではるか後方へ遠ざかっていくカメラの動きと同じような速度が、この作品のはじめから終わりまでを支配している。それはもちろん、ギャンブルというこの映画のテーマと関係している。瞬時にして、それまで所有していたものを失ってしまう、あるいはそれまでは無縁なものだったものに包ま...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 06:11 PM
April 04, 2007
"TOKYO"マグナムが撮った東京@東京都写真美術館梅本洋一
[ photo, theater, etc...]
マグナム創立60周年を記念して、東京都写真美術館で「マグナムが撮った東京」展が開催されている。第2次大戦後から現在に至るまでのマグナム所属の写真家たちの東京の映像がここに終結している。それぞれの写真家にはそれぞれのエクリチュールがあり、この時代は「写真家」というメティエが誕生してからすでに百年近い年月が経過しているのが感じられる。そして、写真家たちが一様に東京という、常に変化する街に好奇の眼差し...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 12:30 AM
April 01, 2007
『ゴーストライダー』マーク・スティーヴン・ジョンソン月永理絵
[ cinema]
『デアデビル』の監督による、『スパイダーマン』や『Xメン』と同じアメリカン・コミックが原作のヒーロー映画である。舞台は西部、主役は悪魔の手先となり悪魔と契約した人々の魂を集めるゴーストライダー。この役目をかつてはカウボーイがその役目を担っていたというから、馬の代わりにハーレーダビッドソンでテキサスを駆け抜けるニコラス・ケイジを現代のカウボーイと見なすこともできるだろう。
しかし、この映画を西部...全文を読む ≫
投稿者 nobodymag : 11:02 AM