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September 28, 2007

教文館ビル@銀座
梅本洋一

[ architecture , cinema ]

 秋の到来を告げるような雨の中を銀座に向かった。『東京遺産』というDVDを見て、その中にバー「ボルドー」という短編を見たからだ。ボルドーは、新橋駅側の銀座中央通りから2本昭和通り側にある通りにひっそりと建っていた。この蔦の絡まる古い古いバーでゆっくりアルコールをいつか楽しんでみたいと思う。この辺にも銀座の再開発の波が本当にすごい勢いで訪れている。YAMAHAも解体され、工事中の塀に囲まれていた。5...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:33 AM

September 22, 2007

アントニン&ノエミ・レーモンド展@神奈川県立美術館鎌倉
梅本洋一

[ architecture , cinema ]

 レーモンド夫妻が特に日本の建築に果たした役割の大きさは知られている。何も前川圀男、吉村順三のふたりがレーモンド事務所に在籍していたからばかりではない。ライトの大きな影響下から出発し、モダニズムへ傾斜していき、日本の風土や社会・歴史環境の中でヴァナキュラーな建築を実践していった姿は、本当に興味深い。  今回の展覧会の特徴はアントニンの妻のデザイナー、ノエミにスポットが当てられていること。だが、多く...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:58 PM

September 21, 2007

モウリーニョ解任
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 今朝ジョゼ・モウリーニョ解任のニュースが飛び込んできた。不調のチェルシーで、しかもローゼンボリにホームで引き分け。だが、プレミアシップは始まったばかりで、チャンピオンズリーグもグループステージの緒戦が終わっただけ。  つまり、アブラモヴィッチは、モウリーニョ解任の機会を窺っていたのだろう。後任監督にはエイヴラム・グラントが就任したという。エイヴラム・グラントって誰? 「エイヴラム・グラントで検索...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:09 PM

September 20, 2007

チャンピオンズリーグ07-08GS
アーセナル対セビージャ 3-0
梅本洋一

[ book , sports ]

 セビージャは本当にいいチームだ。アタックの姿勢を忘れず、常に前へ前へと前進を続ける。キープする時間がもったいないという感じで左右両サイドからどんどん人が攻め上がってくる。ゲーム開始直後こそアーセナルのパスフットボールを見てしまった感があったが、それになれてくるとアタック!  だが、問題なのはシュートが枠に飛ばないことだ。ワンタイミング外してゆっくりと枠を狙ってもいいところを、シュート・コースが開...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:40 PM

『ROCK DREAM』Boris with Merzbow
田中竜輔

[ book , music ]

 昨年11月、新大久保EARTHDOMで行なわれたBorisとMerzbowの共演がまるまる収録された2枚組ライヴアルバム。偶然その場に居合わせただけとはいえ、こういったメモリアルな作品がリリースされることは単純に嬉しい。しかしそんな個人的な感覚はともあれ、この作品の真価は、ライヴとライヴ・アルバムというものがまったく別の領域に属したものなのだという事実を、改めて認識させてくれるということにこそあ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:35 AM

September 18, 2007

F1 ベルギーGP
黒岩幹子

[ sports , sports ]

 アメリカ、日本両国のプロ野球もペナントレースの佳境に入り、ラグビーW杯、女子サッカーW杯から、やれ世界柔道やら、やれビーチの妖精の試合やら、様々なスポーツで盛りだくさんだった先週末、1.5時間強の間もあんなレースを見続けた人が世界中でいったいどれぐらいの数いたのだろうか? と、そのうちのひとりが考えてしまうほど、ベルギーGPはひどいレースだった。  F1には退屈なレースもたくさんあるし、その退屈...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:14 PM

September 11, 2007

『夜顔』マノエル・デ・オリベイラ
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 ユッソンが40年ぶりにサル・ファヴァールでのコンサートで見かけた女性、それはセヴリーヌだった。ドヴォルザークの交響曲8番の演奏が終わり、拍手が鳴りやみ、出口へと向かう観客たち。ユッソンはセヴリーヌを追う。セヴリーヌはユッソンを認めるが、それ故に足早に出口で待っているメルセデスに乗り込んで夜のパリに消える。サル・ファヴァール──ここはかつてオペラ・コミック座として、多くの軽歌劇が上演された場所でも...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:33 PM

September 7, 2007

《再録》すでに語られることのない映画監督のために

[ cinema ]

(2007年9月7日発行「nobody issue26」所収、p.36-41) 1.  『サッド ヴァケイション』には何人もの男たちが、そして女たちが間宮運送というひとつの場所を交通点として行き来する。それぞれが他の人間にはわからない理由によって、最後に流れ落ちてくる場所のように、集まってくる。その場所でひとりひとりが自分の生活の場を確保し、与えられたわずかな場所でひっそりと生活する。  間宮運送...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:09 PM

September 5, 2007

『ブラック・スネーク・モーン』クレイグ・ブリュワー
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 平日の午前中にブルースは似合わないかもしれない。だが、映画館にはTシャツでヒゲを生やした中年男たちが集まっている。どこかで(boid.net?)サン・ハウスの貴重な映像が入っていることを聞きつけた、世の中に回収されるのを今なお拒んでいる初老のオジサンたちのように見える。いつもならぜんぜん場違いなぼくの服装も、この朝のシネアミューズならスタンダードに思える。  ブルースは愛し合った男と女から生まれ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:55 AM

September 4, 2007

『明るい瞳』ジェローム・ボネル
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 この古典的な完成を遂げているフィルムを前にして、それを撮ったのが1977年生まれの映画作家であるという事実は、十分に人を驚かせるものであるだろう。「若い」と「瑞々しい」というふたつの形容詞が並立することを普通のことであると考えるぼくらにとって、こうした完成は、若さと引き合わない何かだからである。  そして、ここで言う「完成」が、過不足ない編集であるとか適切なキャメラポジションであるとか、演出の巧...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:57 PM