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February 1, 2008

日本対ボスニア・ヘルツェゴビナ 3-0
梅本洋一

[ sports , sports ]

 冒頭、日本のパスが繋がらない。連動性が乏しい。動き出しが遅い。やっぱり岡田武史はダメか! ダメな原因はフォーメーションだ。大久保のトップ下は機能していない。ダイアモンドの中盤は、ディフェンスラインからトップまでの距離を長くしている。右サイドの内田が良いが、まだまだ弱気でシュート・チャンスにパス。もっと強気! ひとり中村憲剛が気を吐いている。こいつはどんどん伸びているようだ。フロンターレのゲームはほとんど見たことがないが、パス・スピードとパスの距離がとてもいい。巻がボコボコにされている。
 巻に代わって山瀬が登場。がぜんパスが回り始める。ボランチ専任の啓太を除いて、憲剛、山瀬、遠藤の3人が中盤を作り始め、「人とボール」が走り始める。つまり、オシムは正しかった。サッシャ・ギトリの戯曲に『私の父は正しかった』というのがあったが、オシムは正しかった。美しい夫人からヨーグルトを口に入れてもらいながら、ゲームを見るオシムは正しかった。俊輔の代わりが山瀬だった。
 その山瀬が2点をとる活躍。巻の怪我という偶然がよい結果を導いてくれる。巻の怪我の功名。巻が岡田武史を救ったと言える。高原はまだまだ本調子にない。そして大久保はこんなものか。しかし、岡田はやはり愚直だ。もっとフレキシブルでいい。オシムは、左利きの俊輔を右に、右利きの遠藤を左に配することでパスの精度を上げるのと同時に彼らにシュートの機会を多く与えた。だから高原にスペースが生まれ、もう少し自由に動けた。彼がハードマークされるのは当然なので、2列目の得点力をアピールしておけば、高原にスペースが生まれるということだ。そして、内田と憲剛の間には連動性が芽生えていたが、山瀬と内田にはなかった。遠藤と駒野にはまったくなかった。両サイドをふたりの連動性で創造していく姿勢が必要だ。そうするとダイアモンドはやめた方がいい。フラットな4-4-2の方が「接近、連続、展開」だって可能になる。憲剛はもうセントラルミッドフィールダーを背負える力をつけている。日本のセスクだ!
 岡田の采配で勝つゲームも見たいけどね。