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January 14, 2009

『近代日本の国際リゾート──1930年代の国際観光ホテルを中心に』砂本文彦
梅本洋一

 建築史家、砂本文彦の博士論文が下敷きになった大著である。大東亜共栄圏に向けて中国侵略を開始した時代、当時の鉄道省を中心に、日本で初めての国際観光ホテルの建設が進んでいたことは知られている。外貨不足が侵略という軍事的な結末を見た当時、外貨不足を観光立国で補おうとする政策も進められていた。もちろん観光立国政策は戦争に向かって頓挫することになるが、その政策の成果が、30年代に建設された国際観光ホテルで...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:32 AM

December 8, 2008

『どこから行っても遠い町』川上弘美
梅本洋一

 同じひとつの商店街を行き交う人々とそこある店に集う人々が織りなす11篇の小説を集めた短編集。それだけ書けば、誰でもバルザックを思い出すだろう。BSの「週刊ブックレビュー」を見ていたら、川上弘美がゲスト出演していて、彼女もバルザックの名を口にしていた。  句点が文章の奇妙な位置にふられている彼女の文体と、それがもたらす効果は、この短編集でも同じだが、それについて考えはじめると深みにはまってしまいそ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:36 AM

December 7, 2008

『日本語が亡びるとき—英語の世紀の中で』 水村美苗
山崎雄太

 十代前半で水村さんは家庭の事情によりニューヨークへと渡るも、英語に馴染むことが出来ず、家に閉じこもって日に焼けた『日本近代文学全集』を愛読していたそうだ。曰くしばしば「私は古びた朱色の背表紙を目に浮かべて心を奮い立たせた」(『私小説 from left to right』)。いっぽう、水村さんとほぼ同世代の僕の母もまた、同じように十代半ばに家庭の事情によりロスアンゼルスに渡るも、英語によく馴染み...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:12 PM

December 2, 2008

『日本語が亡びるとき──英語の世紀の中で』水村美苗
梅本洋一

 いまから10年以上も前のことになる。仕事で滞在していたパリのホテルでボーっとテレビを見ていたときのことだ。旧日本海軍についてのドキュメンタリーが放映されていた。もうよぼよぼになった旧日本海軍の将校たちのインタヴューが多く含まれていた。内容はすっかり忘れてしまったが、とても驚いたことがあった。そのお爺さんたちが全員、見事なフランス語で質問に答えていたことだ。戦前の人たちなんかは、「西欧文化」の輸入...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:28 PM

November 23, 2008

『マクナイーマ』ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ
田中竜輔

 第9回東京フィルメックスの朝日ホール上映1本目は、国内初上映となるジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督特集のなかでも最高傑作と言われる本作。とりあえず解説を流し読みしただけでも相当な怪作であろうことは伺えたが、冒頭の主人公マクナイーマの衝撃的な(ほかにどう表現していいものか……)生誕シーンからしてただ感嘆、爆笑である。  最初から最後までマクナイーマが揺られ続けるハンモックのように、映画は蛇...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:41 AM

November 15, 2008

『おかしな時代──『ワンダーランド』と黒テントの日々』津野海太郎
梅本洋一

 この本の帯にはこうある。「アングラ劇団旗揚げのかたわら、『新日本文学』で編集を学び、晶文社で雑誌みたいな本を次々に刊行。黒テントをかついで日本縦断のはて、幻の雑誌『ワンダーランド』を創刊! 60年安保から東京オリンピック、そして70年前後の大学紛争まで、若者文化が台頭した『おかしな時代』を回想するサブカルチャー創世記」。過不足なく、見事に本の内容がまとめられていると思う。「新日本文学」はともあれ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:09 PM

November 11, 2008

『赤めだか』立川談春
梅本洋一

 好評につき版を重ねている本をここで紹介するのは本意ではない。だが、誰からも、あれはめっぽう面白い本だ、と言われれば、どうしても本屋で手に取り、何ページか立ち読みしたくなるものだ。で、立ち読みしてみると、なるほど、これは面白い!と感じられ、平積みになっているその本を下の方から取って、レジに持って行ってしまうものだ。帰ってから寝る前に少しずつその本を読み進め、残りページが少なくなると、もう終わりかと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:26 PM

November 2, 2008

大学ラグビー対抗戦 帝京対早稲田 18-7
梅本洋一

 この日のゲームは、帝京の完勝だ。ブレイクダウンで何度もターンオーヴァーし、スクラムでも早稲田をめくり上げた。解説の藤島大は、往年の早明戦のようだ、と言っていたが、今の早稲田の選手には往年の早明戦の経験値は皆無だ。選手が毎年入れ替わり、ひとりの選手がチームに在籍するのも留年がなければ4年を越えることがない大学ラグビーの困難さは、往年の早明戦の体験の有無ばかりではないだろう。87年12月の「雪の早明...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:03 PM

October 21, 2008

「BRUTUS」2008年 11/1号 山特集──ワンダーフォーゲル主義
梅本洋一

 久しぶりに「ブルータス」を買った。ロゴはいつもと同じだったが、表紙の色調がいつもとまったく異なっていたからだ。おそらく剣岳が描かれていると思われるブルーとグレイとグリーンの版画だ。とても懐かしい気がした。いつものHUGO BOSSだのBurberryだのの広告ページを一挙にめくり目次に目を凝らす。「山特集──ワンダーフォーゲル主義」と題された特集で、半分はジョン・ミューア・トレイルの話、そして後...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:55 AM

October 17, 2008

『SOUNDTRACK FOR D-BROS』阿部海太郎
宮一紀

 阿部海太郎の2枚目のアルバム『SOUNDTRACK FOR D-BROS』がシアタームジカから発売されている。渋谷PARCOなどに直営店を持つシアタープロダクツのショー音楽や、溝口健二の無声映画『東京行進曲』上映の際の伴奏、最近では第9回東京フィルメックス・コンペ部門への出品も決まったばかりの映画『PASSION』の音楽(★1まったく新しく見事な解釈によるガーシュウィン)を担当するなど、実に多岐...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:57 AM

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