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October 3, 2008

『ポール・ランド、デザインの授業』マイケル・クローガー
宮一紀

 ポール・ランド(1914-96)。スイスにおけるデザイン教育の拠点であるバーゼル造形学校を設立したエミール・ルーダー、アーミン・ホフマンらとともに彼はスイス・スタイルとも呼ばれる国際タイポグラフィー様式を確立する一翼を担った。これは数あるグラフィック・デザイン様式のうちでもっとも重要な本流と言ってよいだろう。左右非対称、グリッドに沿ったレイアウト、サンセリフ体の使用といった特徴を持つこの様式は、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:17 AM

September 29, 2008

講演「肖像の理論のためのスターの顔」ドミニク・パイーニ
結城秀勇

 東京日仏学院にて開催中の特集上映「映画におけるメタモルフォーズ」の中の1本、アルフレッド・ヒッチコック『めまい』の上映後、プログラムを行ったドミニク・パイーニ氏による講演が行われた。先だって前日の青山真治監督との対談の前に行われた講演では、この特集プログラムの全体に渡って話が展開された(それはウォルト・ディズニー『ダンボ』から、ジェリー・ルイス『底抜け大学教授』、果てはロビー・ウィリアムスのPV...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:30 AM

September 22, 2008

『私のハリウッド交友録 映画スター25人の肖像』ピーター・ボグダノヴィッチ
結城秀勇

 まるで辞書みたいな外観の書物だが、百科辞典的な効用を期待してはいけない。網羅的な事実が必要なら、その用途によってもっと大勢の人が記載された名士録のような本や、ここに書かれた人たちのひとりひとりについてもっと詳しく書いた本がいくらでもある(ジェリー・ルイスも自伝を出版したし、ベン・ギャザラも執筆中だそうだ)。『私のハリウッド交友録』という邦題が示すとおり(原題は『Who the Hell's in...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:39 AM

August 17, 2008

『TOKYO!<メルド>』レオス・カラックス
山崎雄太

 日本人の目は女性器のようであるから汚らわしい……  こう被告席で吐き捨てるメルド(ドニ・ラヴァン)は、下水道の怪人である。といっても彼は、渋谷の事件以外とりわけ怖がられるようなこともしておらず、銀座においてもちょっと攻撃的な浮浪者といった程度で、けが人もいないようだ(食事も花にお札とわりと高尚)。メルドは、もうそもそもから「東京の人々」に恐れられており、われわれもまた「ニュース」を見ることによっ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:01 PM

August 5, 2008

『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー
宮一紀

 一組の父と子が核戦争後と思しき灰燼と化した大地を延々と歩き続ける。空は暗澹たる分厚い雲に覆われ、そこに鳥の姿などあろうはずもない。寒冷化が進み、灰色の海の水は冷たい。もちろん魚など死に絶えているだろう。どうやら世界には〈道〉だけが残されたようだ。とても危険な〈道〉である。〈悪い者〉が出るかもしれないからだ。それでも彼らはひたすら〈道〉を南下して進んでゆく。多くの絶望的な光景に接しながら、父と子は...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:58 AM

June 27, 2008

にせんねんもんだい in “nhhmbase presents13”@SHIBUYA-O nest 6/21
山崎雄太

 にせんねんもんだいで踊れない(“にせんねんもんだい”は、上手にギターの高田さん、下手にベースの在川さん、真ん中にドラムの姫野さんという、女性だけのスリーピースという編成)。  高田さんの、短いモチーフを慎重に重ねていく姿は、聞こえてくる電気的な音とは裏腹に非常に肉感的な、職人的な「作業」を感じさせる。それは建具師が丁寧に金箔を並べていくような張りつめた「作業」であり、にせんねんもんだいが演奏を始...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:42 PM

June 10, 2008

『コロッサル・ユース』ペドロ・コスタ
山崎雄太

 真っ白い壁にもたれかかって役人から部屋の説明を受けるヴェントゥーラは、一点のシミのようでもある。  ひと月ほど前—、横浜・寿町にひっそりとたたずむマンションの一室を改装する現場に立ち会わせていただく機会を得た。寿町は元町・中華街とほど近い場所にありながら、東京の山谷、大阪の釜ヶ崎(あいりん地区)と並び日本三大ドヤ街として知られている。いまこれらの場所は、総じて外国人観光客向けの安宿として「クリー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:47 PM

June 3, 2008

W杯アジア予選 日本対オマーン 3-0
梅本洋一

 最近のフットボールファンは、協会会長というと川淵三郎を思い出すだろう。代表監督というと岡田武史、あるいはイビチャ・オシム、あるいはジーコ。だが、50歳を越えたぼくらにとっては、そのどちらも長沼健だ。最初に買ったサッカー本も長沼健のものだった。もう本棚に残っていないが、『チームプレー』という本だった。メキシコ五輪直後に出版されたものだったと思う。銅メダルを得た代表チームの戦術や、クラマー・コーチか...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:54 AM

May 31, 2008

『PASSION』濱口竜介
宮一紀

 上映前の舞台挨拶で俳優の渋川清彦がいみじくも口にしたように「映画っつうのは映画館で観るもんです」。立ち見さえままならないほど多くの観客が詰めかけ、むせ返るような空気の中で(とはいえ次第に空調が効きすぎて寒くなってはきたが)映画が上映されるという久しく体験したことのなかったことがユーロスペースで起こっていた。しかもそれが平日のレイトショーで起こった。もちろんイベントの性格上、関係者が多く集まってい...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:53 AM

May 26, 2008

『ポスト消費社会のゆくえ』辻井喬 上野千鶴子
梅本洋一

 バブルが弾けてから、「失われた10年」を経て、いろいろなものがなくなった。バブルの時代までのリードした国土計画やセゾングループがなくなったものの代表だろう。どちらも堤康次郎が起こした西武鉄道に端を発し、一方が堤義明、他方が異母兄の堤清二によって経営されていた。苗場スキー場や軽井沢といったリゾートが国土計画によって開発され、パルコやシネセゾンがセゾングループによって経営されていた。本書は、後者の社...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:20 AM

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