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March 25, 2023

『うつろいの時をまとう』三宅流
池田百花

 曙光。夜明けに太陽の光が差し込むその一瞬、夜の終わりと朝の始まりが重なる。かつて平安時代の人々は、この光景に見られるような異なる色の布を重ね合わせてその配色を楽しんでいたという。そして現代の日本のファッションブランドmatohu(まとふ)を追ったドキュメンタリーである今作の冒頭では、この「かさね色目」と呼ばれる色づかいから着想を得て生み出されたコレクションのひとつ「かさね」が紹介される。そこで異...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:25 AM

September 29, 2016

『潜行一千里』空族+スタジオ石+YCAM
隈元博樹

 前方に設えられた4つのスクリーンと、後方の1スクリーンに囲まれた映像のインスタレーション。『バンコクナイツ』に登場するロケーションとノイズの数々が、計5つのスクリーンに囲まれた私たちの身体へと呼応していく。『潜行一千里』とは旧大日本帝国陸軍参謀であった辻政信による著書『潜行三千里』に由来したものだが、このインスタレーションは『バンコクナイツ』の撮影クルーであるスタジオ石と空族が敢行したタイとラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:07 AM

August 17, 2009

09-10プレミアリーグ開幕戦 エヴァートン対アーセナル 1-6
梅本洋一

 信じられないスコアでアーセナルの快勝。アデバイヨールとコロ・トゥレをマンCに取られ、しかも左足を骨折したナスリ、復帰後ハムストリングの痛めてしまったロシツキ、代表戦で背中を痛めたウォルコットを欠いてこの結果。「難敵」エヴァートンを失意のどん底に落としたアーセナルのアタックは素晴らしいものだった。  心配していたのはヴェンゲルだけではないだろう。アーセナル・ファンなら全員、今シーズンは期待できない...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:23 PM

March 19, 2009

追悼・フランチシェク・スタロヴィエイスキ
宮一紀

 ポーランドの画家で映画ポスターを数多く手掛けたフランチシェク・スタロヴィエイスキが先月亡くなった。  1960年代以降、世界中で映画が盛り上がる時期が訪れる。東欧でのそれは多分に宣伝用ヴィジュアルとともに受け入れられることになるのだが、そこには50年代後半の自由化と、自由化以降も実質的に続いたソ連の実行支配という背景があったことは否めない。東欧におけるグラフィック表現とは政治的な暗喩の純度の高い...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:10 AM