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December 4, 2009

『したくないことはしない 植草甚一の青春』津野海太郎
梅本洋一

 植草甚一が大ブレイクした70年代初期から晶文社の編集者として「ワンダーランド」をはじめ植草さんの様々な著書の編集に携わった津野さんの「植草伝」。「植草さんの前半生はかならずしも幸福なものではなかった。ところが、むかし引いたマイナス札が最晩年につぎつぎにプラスにひっくりかえり、とつぜん、ハデな大逆転をとげてしまう」。「あとがき」で津野さんはこう書いている。「ハデな大逆転」の時代に植草さんを読み始め...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:37 PM

September 9, 2009

『リプリー 暴かれた贋作』ロジャー・スポティスウッド
結城秀勇

『太陽がいっぱい』、『アメリカの友人』をはじめとして、それぞれ複数回映画化されているパトリシア・ハイスミスのリプリー・シリーズ中のThe Talented Mr. RipleyとRipley's Gameだが、なぜかその間に挟まるRipley Undergroundは映画化されていなかった。『トゥモロー・ネバー・ダイ』のロジャー・スポティスウッド監督によって2005年に撮影された本作はdvdスル...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:01 PM

June 26, 2009

『ランニング・オン・エンプティ』佐向大
結城秀勇

 その構造を剥き出しにして得体の知れない煙を吐き出し続ける信じがたく巨大な建築物の群れから、小さなアパートのベッドの上で寝そべる女性のピンクの下着を履いた尻へとカットが切り替わる。前者はどことなく『Clean』の冒頭を彷彿とさせるし、後者は『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソンのケツに勝っている。それがなんの仲介も無しに結びつけられる、一足飛びの移動の速さの中にこそ『ランニ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:37 PM

May 9, 2009

チャンピオンズリーグ08-09準決勝 2nd Leg
アーセナル対マンチェスター・ユナイティド 1-3 (1-4)
チェルシー対バルセロナ 1-1 (1-1)
梅本洋一

 イニエスタのシュートがツェフの左手をかすめてゴールネットを揺らした瞬間、スタディオ・オリンピコでの決勝はマンU対バルサに決定した。大方の予想通り。  だが、このゲームで健闘したのは、誰の目から見てチェルシーだった。ぼくだってバルサの圧勝を期待したが、ヒディンクは、ファーストレグと同じ戦術を採り、守ってカウンター。前半9分のエシアンのミドルが決まり先制。絶好の展開だ。バルサはプジョルの出場停止とマ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:19 AM

April 29, 2009

『ライラにお手上げ』ピーター&ボビー・ファレリー
結城秀勇

 ファレリー兄弟最新作もdvdスルー。『ふたりにクギづけ』『二番目のキス』(そしてプロデュース作の『リンガー!替え玉★大作戦』も含めてもいいかもしれない)と、しっかり笑えガッチリ感動できる作品をここのところ続けて作ってきた彼らだが、『ライラにお手上げ』はなんだかとても後味の悪い作品になっている。もちろん暗い話だとか死人がでるとかではなく、気楽に見れることには変わりがない。しかし復活した下ネタの奥底...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:03 PM

March 10, 2009

『オーストラリア』バズ・ラーマン
松井宏

 165分。2時間45分。この長さをどう処理するか。まずは半分真っ二つに割ってみる。しかしそれでも手に負えない。ということで、後半部をさらに細かく割ってみる。そうして完成したのが『オーストラリア』だ。とでも言いたくなるような、つまり予め一大叙事詩として構想されたゆえに求められた諸ジャンルの混合が(西部劇、ラヴロマンス(植民地系)、戦争ものetc.)必然性を奪われ、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」に堕...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:08 PM

February 27, 2009

『スモーキング・ハイ』デヴィッド・ゴードン・グリーン
結城秀勇

『無ケーカクの的中男/ノックトアップ』の監督ジャド・アパトー、主演セス・ローゲンによるプロデュース作品がまたDVDスルーでリリースされた。アパトープロデュース作品は去年から今年にかけてだけで5、6本あるんじゃないだろうか。本作品では主演のセス・ローゲンが、『スーパーバッド/童貞ウォーズ』でも組んだエヴァン・ゴールドバーグとともに、脚本に参加している。『無ケーカクの~』でも異彩を放っていた「ユダヤ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:31 PM

February 14, 2009

『ザ・クリーナー 消された殺人』レニー・ハーリン
高木佑介

 サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、エヴァ・メンデスとキャストは充実しているが、都内では一館だけでしかやっておらず、客の入りもそれほど良いとは言えなそうなので、もしかするとすぐに公開が終わってしまうかもしれないレニー・ハーリン監督作。  その豪華と言えば豪華なキャストと、親切に添えられている副邦題と、物語を支える主人公の経歴と舞台背景にただようフィルム・ノワール的な芳香のせいでか、(全然関...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:59 PM

February 10, 2009

『レールズ&タイズ』アリソン・イーストウッド
黒岩幹子

 年末年始に昨年発売された日本劇場未公開作のDVDを意図的に立て続けに見たので、しばらく未公開作はチェックしないでいいだろうと思っていたところに、このDVDを見つけてしまった。クリント・イーストウッドの娘であり、『真夜中のサバナ』ではヒロインを演じていたアリソンが映画を撮るらしいという噂は以前聞いていたが、すっかり失念してしまっていて、TSUTAYAの店頭で発見したときには不意を突かれた。  製作...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:00 AM

February 6, 2009

『ランド・オブ・ウーマン/優しい雨の降る街で』ジョナサン・カスダン
結城秀勇

 日本では劇場未公開、昨年11月にDVDリリースされた一本。2/13発売の「nobody」29号では2008年に出たDVDスルー作品の星取をおこなっているが、その中でも、『マーゴット・ウェディング』(ノア・バームバック)や『ロビン・ウィリアムスのもしも私が大統領だったら……』(バリー・レヴィンソン)などと並んで評価の高い一本だった。  ということで見てみると、メグ・ライアンがいい。無根拠な断言だが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:13 AM

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