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March 9, 2017

『ジョイ』デヴィッド・O・ラッセル
結城秀勇

もしこの作品が2016年に公開されていたら、『ブリッジ・オブ・スパイ』『ザ・ウォーク』『白鯨との闘い』『ハドソン川の奇跡』などと並べて、「post-truth」が流行語に選ばれた年に日本で公開された「事実に基づく」アメリカ映画はこんなにも変なことになっている、とでも言いたくなっただろう作品だ。先日DVDスルーされたのは非常に残念だが、そうした判断がなされるのもそうそう理由のないことでもないのかもと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:12 PM

August 7, 2016

『ファースト・タイム 素敵な恋の始め方』ジョナサン・カスダン
結城秀勇

Netflixで「フリークス学園」を見ていて、2000年前後のこの界隈の人材の豊富さをしみじみ考える。セス・ローゲン、ジェームズ・フランコをはじめとするアパトー・ギャングは言わずもがな、マイク・ホワイトは後に『スクール・オブ・ロック』でリンクレイターと組んでたりしたのに最近映画周りでは名前を聞かないな、とか、当然のようにベン・スティラーのカメオ出演とか。なかでも気になったのが、ジェイクとジョンのカ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:05 PM

April 16, 2014

『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』マイケル・ベイ
高木佑介

レンタルビデオ屋の「新作」コーナーをぶらついていると、アメリカ国旗を背景に厳めしいポーズを決めているマーク・ウォールバーグと“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンのふたりと目が合った。『トップガン』(86)並にダサいDVDジャケット、そして『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(08)と同じような副邦題を持つこの作品のパッケージを手にとってみると、「トランスフォーマー」シリーズの大ヒットの陰に隠れ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:41 AM

December 7, 2011

『トゥー・ラバーズ』ジェームズ・グレイ
高木佑介

 ジェームズ・グレイの新作(と言っても、製作は2008年)が、先日紹介したリチャード・リンクレイターの新作と同じくDVDスルーされている。シネコンではハリウッド大作映画だけが画一的に公開されている一方で、こういった「多様」な海外作品が劇場公開すらされない事実には頭を抱えるばかりだ。たとえば、シネコンと大手配給会社が結託した「デジタル上映システム」への完全移行がこのまま推し進められていくと、弊害が巡...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:39 PM

December 1, 2011

『僕と彼女とオーソン・ウェルズ』リチャード・リンクレイター
高木佑介

 リチャード・リンクレイターの新作が先月からDVDスルーされている。原題は“Me and Orson Welles”。1937年のニューヨークが舞台で、オーソン・ウェルズのマーキュリー劇団の旗揚げから、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」公演の成功までの過程が、駆け出し俳優としてそこに居合わせたザック・エフロンが演じる主人公のリチャード君(!)視点で語られている。つまり、オーソン・ウェルズが引...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:37 AM

September 28, 2011

ラグビーW杯2011──(5)ジャパン対カナダ 23-23
梅本洋一

 カナダを応援していた人たちは、ラスト10分かなり感動したのではないか。8点差からトライ、そしてコンヴァージョン失敗、最後にPGで同点……。アマチュアの選手が多いカナダは誠実なプレーで頑張った。アンフォースト・エラ−を2割減らせばジャパンを突き放すこともできたろう。一方のジャパンも、トンガ戦を反省して、まずエリア・マネジメントをしっかりやって──つまり、イチカバチカではなく、がっぷり四つに組んで─...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:09 AM

September 12, 2011

ラグビーW杯2011──(1) ジャパン対フランス
梅本洋一

 イングランド対アルゼンチンの13-9やスプリングボクス対ウェールズの17-16という非常に僅差のゲームがあった。前者は完全に「力比べ」であり、後者はウェールズがピーキングをこのゲームに持ってきたのに対してスプリングボクスはまだまだ発展途上という感じ。オールブラックスが対トンガ戦の前半に見せたようなパフォーマンスはどのチームも見せてくれない。  そして、JKが勝負を賭けた対フランス戦は、周知の通り...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:00 PM

October 28, 2010

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』瀬田なつき+『神々と男たち』グザヴィエ・ボーヴォワ@東京国際映画祭
結城秀勇

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』瀬田なつき。東京湾岸の光景、横たわる少女と彼女の生足、スクリーンのこちら側だけに向かって放たれる「嘘だけど」という台詞、宇宙の姿を映し出すスクリーンプロセス……。瀬田なつきの商業映画第一作はどこをどう切っても瀬田印が満載だ。 陰惨な過去の事件ーーそうではなかったこともあり得たのかもしれない過去ーーによってだけ結びつくひと組の少年少女。過去はなぜかいま唐突に現在を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:13 PM

December 19, 2009

『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』ジョン・カサヴェテス
結城秀勇

 7年間だ。7年間、クレイジー・ホース・ウェストは、コズモ・ヴィテリは、ミスター・ソフィスティケイションは、女たちは(たとえその面子は変わろうとも)、そこに在り続けた。同時に、まさにその日生まれ落ちた。プロデューサーに負債を返すことで。紙袋に入った分厚い札束をを手渡すことで。リムジンでドン・ペリニョンをやりながらカジノに繰り出すことで。たとえそれが新たな負債を生み出すことに過ぎないとしても、とにか...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:07 AM

December 6, 2009

『紀元一年が、こんなんだったら!?』ハロルド・ライミス
結城秀勇

『ワルキューレ』(ブライアン・シンガー)「チェ」二部作(スティーヴン・ソダーバーグ)『ミルク』(ガス・ヴァン・サント)と、2009年の前半には「失敗した革命」についての映画とでも呼べるような作品が相次いで公開された。そして現在、トム・クルーズがあんなに必死になっても殺せなかったアドルフ・ヒトラーを、イーライ・ロスがいとも簡単に殺してしまう様を『イングロリアス・バスターズ』で目にしてしまうと、約一...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:25 PM

December 4, 2009

『したくないことはしない 植草甚一の青春』津野海太郎
梅本洋一

 植草甚一が大ブレイクした70年代初期から晶文社の編集者として「ワンダーランド」をはじめ植草さんの様々な著書の編集に携わった津野さんの「植草伝」。「植草さんの前半生はかならずしも幸福なものではなかった。ところが、むかし引いたマイナス札が最晩年につぎつぎにプラスにひっくりかえり、とつぜん、ハデな大逆転をとげてしまう」。「あとがき」で津野さんはこう書いている。「ハデな大逆転」の時代に植草さんを読み始め...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:37 PM

September 9, 2009

『リプリー 暴かれた贋作』ロジャー・スポティスウッド
結城秀勇

『太陽がいっぱい』、『アメリカの友人』をはじめとして、それぞれ複数回映画化されているパトリシア・ハイスミスのリプリー・シリーズ中のThe Talented Mr. RipleyとRipley's Gameだが、なぜかその間に挟まるRipley Undergroundは映画化されていなかった。『トゥモロー・ネバー・ダイ』のロジャー・スポティスウッド監督によって2005年に撮影された本作はdvdスル...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:01 PM

June 26, 2009

『ランニング・オン・エンプティ』佐向大
結城秀勇

 その構造を剥き出しにして得体の知れない煙を吐き出し続ける信じがたく巨大な建築物の群れから、小さなアパートのベッドの上で寝そべる女性のピンクの下着を履いた尻へとカットが切り替わる。前者はどことなく『Clean』の冒頭を彷彿とさせるし、後者は『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソンのケツに勝っている。それがなんの仲介も無しに結びつけられる、一足飛びの移動の速さの中にこそ『ランニ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:37 PM

May 9, 2009

チャンピオンズリーグ08-09準決勝 2nd Leg
アーセナル対マンチェスター・ユナイティド 1-3 (1-4)
チェルシー対バルセロナ 1-1 (1-1)
梅本洋一

 イニエスタのシュートがツェフの左手をかすめてゴールネットを揺らした瞬間、スタディオ・オリンピコでの決勝はマンU対バルサに決定した。大方の予想通り。  だが、このゲームで健闘したのは、誰の目から見てチェルシーだった。ぼくだってバルサの圧勝を期待したが、ヒディンクは、ファーストレグと同じ戦術を採り、守ってカウンター。前半9分のエシアンのミドルが決まり先制。絶好の展開だ。バルサはプジョルの出場停止とマ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:19 AM

April 29, 2009

『ライラにお手上げ』ピーター&ボビー・ファレリー
結城秀勇

 ファレリー兄弟最新作もdvdスルー。『ふたりにクギづけ』『二番目のキス』(そしてプロデュース作の『リンガー!替え玉★大作戦』も含めてもいいかもしれない)と、しっかり笑えガッチリ感動できる作品をここのところ続けて作ってきた彼らだが、『ライラにお手上げ』はなんだかとても後味の悪い作品になっている。もちろん暗い話だとか死人がでるとかではなく、気楽に見れることには変わりがない。しかし復活した下ネタの奥底...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:03 PM

March 10, 2009

『オーストラリア』バズ・ラーマン
松井宏

 165分。2時間45分。この長さをどう処理するか。まずは半分真っ二つに割ってみる。しかしそれでも手に負えない。ということで、後半部をさらに細かく割ってみる。そうして完成したのが『オーストラリア』だ。とでも言いたくなるような、つまり予め一大叙事詩として構想されたゆえに求められた諸ジャンルの混合が(西部劇、ラヴロマンス(植民地系)、戦争ものetc.)必然性を奪われ、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」に堕...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:08 PM

February 27, 2009

『スモーキング・ハイ』デヴィッド・ゴードン・グリーン
結城秀勇

『無ケーカクの的中男/ノックトアップ』の監督ジャド・アパトー、主演セス・ローゲンによるプロデュース作品がまたDVDスルーでリリースされた。アパトープロデュース作品は去年から今年にかけてだけで5、6本あるんじゃないだろうか。本作品では主演のセス・ローゲンが、『スーパーバッド/童貞ウォーズ』でも組んだエヴァン・ゴールドバーグとともに、脚本に参加している。『無ケーカクの~』でも異彩を放っていた「ユダヤ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:31 PM

February 14, 2009

『ザ・クリーナー 消された殺人』レニー・ハーリン
高木佑介

 サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、エヴァ・メンデスとキャストは充実しているが、都内では一館だけでしかやっておらず、客の入りもそれほど良いとは言えなそうなので、もしかするとすぐに公開が終わってしまうかもしれないレニー・ハーリン監督作。  その豪華と言えば豪華なキャストと、親切に添えられている副邦題と、物語を支える主人公の経歴と舞台背景にただようフィルム・ノワール的な芳香のせいでか、(全然関...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:59 PM

February 10, 2009

『レールズ&タイズ』アリソン・イーストウッド
黒岩幹子

 年末年始に昨年発売された日本劇場未公開作のDVDを意図的に立て続けに見たので、しばらく未公開作はチェックしないでいいだろうと思っていたところに、このDVDを見つけてしまった。クリント・イーストウッドの娘であり、『真夜中のサバナ』ではヒロインを演じていたアリソンが映画を撮るらしいという噂は以前聞いていたが、すっかり失念してしまっていて、TSUTAYAの店頭で発見したときには不意を突かれた。  製作...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:00 AM

February 6, 2009

『ランド・オブ・ウーマン/優しい雨の降る街で』ジョナサン・カスダン
結城秀勇

 日本では劇場未公開、昨年11月にDVDリリースされた一本。2/13発売の「nobody」29号では2008年に出たDVDスルー作品の星取をおこなっているが、その中でも、『マーゴット・ウェディング』(ノア・バームバック)や『ロビン・ウィリアムスのもしも私が大統領だったら……』(バリー・レヴィンソン)などと並んで評価の高い一本だった。  ということで見てみると、メグ・ライアンがいい。無根拠な断言だが...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:13 AM

November 19, 2008

『ヘルベチカ〜世界を魅了する書体〜』ゲイリー・ハストウィット
宮一紀

 1957年、スイスの小さな金属活字の鋳造所で、後に世界を席巻することになるサンセリフ体が誕生する。マックス・ミーディンガーによって設計されたとされている、ラテン語で“スイス書体”を意味するHelveticaがそれであり、現在私たちの日常生活においてもっとも多くの局面で目にされる欧文書体である。本作はそのHelveticaをめぐる膨大なインタヴューから構成されるドキュメンタリー作品だ。  監督のゲ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:04 AM

October 1, 2008

『ソール・バスの世界』
宮一紀

 映画作品のタイトルバックにデザインの手法を取り入れた最初期の人物としてその名を映画史に燦然と輝かせるソール・バス(1920-96)。代表作を挙げればきりがない。オットー・プレミンジャー、ビリー・ワイルダー、ロバート・アルドリッチ、ウィリアム・ワイラー、アルフレッド・ヒッチコック、そしてもっとも最近ではマーティン・スコセッシやリドリー・スコットが全幅の信頼を寄せていたタイトルバック・デザイナーとし...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:00 AM

April 9, 2008

『ノーカントリー』ジョエル&イーサン・コーエン
梅本洋一

 『ノーカントリー』は、それまでぼくらが持っていたコーエン兄弟についての先入観を払拭してくれた。確かに多くの人たちが言うようにコーエン兄弟の多くのフィルムは、とても出来の良い映画学校の卒業生の作品のようだった。ひとつひとつのショットが適切で、物語を過不足なく語る技術が秀でていて、何よりも映画には歴史があることを心得ていて、その中の最良の部分を自らの作品に取り入れてきた。それは別の言い方をすれば、コ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:05 AM

November 16, 2007

『摩天楼』キング・ヴィダー
田中竜輔

 TSUTAYAをふらふらと散策していると、なんとなくこのタイトルが目につき、手に取ってみて初めてキング・ヴィダーのフィルムであることを知った。今年の2月にDVDがリリースされていたようだ。ヴィダーのフィルムの中でもこの作品は決して頻繁に耳にするタイトルではない。ためしにネットで検索してみると、映画の内容以上に、主演のゲイリー・クーパーとヒロインのパトリシア・ニールが熱烈な不倫関係を結んだというス...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:01 PM

November 15, 2007

『ラ・ヴァレ』バルベ・シュローデル
結城秀勇

 全編ニューギニアロケで撮影されたこの映画の撮影がどのようなものだったのか、出演者やスタッフのひとりひとりに聞いてみたい気がする。70年代前半、ネストール・アルメンドロスとともに、ギニアでのいくつかの短編ドキュメンタリーやウガンダでイディ・アミン・ダダのドキュメンタリーなどを撮影しているシュローデルだが、この映画においては撮影の過程がそのまま、未踏の地への旅というこの映画のストーリーそのものになっ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:05 PM

June 11, 2007

『[私家版]現代映画講義2.01——『デザンシャンテ』の余白に』
槻舘南菜子

 同じ映画を何度も見ることはよくあるのだが、人の話を二度聞く機会はめったにない。そしてそこにたまたま自分が映り込んでいて、固定されたキャメラの位置がその時座っていた席とほぼ同じアングルなのだから、なんとも不思議な気持ちになる。  そんな偶然も相まって私の手元に届いた『[私家版]現代映画講義2.01——『デザンシャンテ』の余白に』は、東京藝大、馬車道校舎で行われた横浜日仏学院のシネクラブでの大寺眞輔...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:33 AM

February 25, 2007

『So Lucky』ノエル・アクショテ
茂木恵介

 聴いたことのあるメロディー。当然だ。カヴァーなんだから。聴く度に、それを歌っている歌手が違う。ある時は、むさ苦しい集団が。またある時は、フリフリの衣装を身に纏った悲しき熱帯魚達が。それよりも、乳癌を克服したアブサンの妖精を演じた紫の下着が良く似合う女性の方が有名だろう。そんな彼女の楽曲をギターのみで、シンプルにコードとメロディーを爪弾いているのがノエル・アクショテの新譜だ。時折聴こえる、指が弦を...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:26 PM

February 19, 2007

『ロッキー・ザ・ファイナル』シルヴェスター・スタローン
松井 宏

 初めて親同伴なし友達だけで映画館に見に行ったフィルムが『ロッキー5/最後のドラマ』だったという小学6年の個人的な些事は措いておくが、しかしこの『ファイナル』を見たとたん驚愕するのはそこにある「救い難さ」だ。なにもフィルム自体が救い難い出来だというのではない。そこで冒頭から描写されてゆくロッキーの姿、その周囲、そしてフィラデルフィアの街があまりに救い難い様相を呈しているのだ。  ここでロッキーの言...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:15 PM

October 11, 2006

『レオパルドマンーー豹男』ジャック・ターナー
結城秀勇

冒頭から鳴り響くカスタネットの音がひとりのラテン女性のダンスに接続され、それは次いで隣人が苦情を言いながら壁をたたく音に引き継がれる。そこで起こるドラマの視点もまた隣人へと引き継がれる事になるのだが、はじめから最後まで鳴り響くカスタネットの音だけは、被害者、加害者、探偵役という物語上の役割を飛び越えた地点で鳴り響いている。 インパクトを持ったアクセサリーとして登場する黒豹が死の隠喩に変わるのは、そ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:13 PM

October 2, 2006

『吸血鬼ボボラカ』 マーク・ロブソン
結城秀勇

『キャット・ピープル』をはじめとする優れた怪奇フィルムを製作し、若くしてこの世を去ったRKOのプロデューサー、ヴァル・リュートンの作品がDVD化されている。 マーク・ロブソン監督による『吸血鬼ボボラカ』は、バルカン戦争を背景としながらギリシャの孤島に閉じこめられた一団に忍び寄る恐怖を描く。ボリス・カーロフ演じる軍人をはじめとする、とある孤島に滞在中の人間たちは、突然勃発した伝染病のためにその島に一...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:29 PM

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