雑誌nobody
ISSUE.14
全96ページ
単価900円
特集:
ESCAPE FROM
LAndscape
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editorial
「旅行というのは、語り得ない幸福の可能性をもっとたくさん生み出すこと以外に役に立たない。偶然列車に乗り、その列車が時間通りに出発するかを確かめる。体操かダンスのように「1、2、3」というつながりを頭の中で考える。風景の中にいつも同じ姿でいる。でも風景はいつも同じではない。ほんの少しの出来事とちょっとした長さとわずかばかりの調査と幸せなことにセックスにだけ還元された身体を伴っている。もちろん代償は重い。執拗な失敗、良くない連鎖、得るもののない敗戦、哀れなまでの失敗、それらが正に嘲弄という掛け金の上に賭けられているなら、もっと激しく胸を抉られることになる」(セルジュ・ダネー『不屈の精神』)
はじめに念頭にあったのが風景ではなかったことは確かだ。少なくとも風景という「もの」が確かに存在するという認識はなかった。絵葉書によって送られてくるような場所、電波に乗ってやってきて走査線が形作るような景色、あるいは映画が生み出すコマの運動の中にしかないような風景、そういったものを考察しようなどという気はなかった。それらがいまいる場所と地続きである限りにおいて、nobodyはそれらを見てきた。..........
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