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2006年07月03日

Encore deux!

 スカパー!で原博美の話を聞いていて興味深かったのは、ロナウジーニョとカカが冴えなかったのは、前のロナウドが立ったまま動かないからだ。ジダンだって、レアルだから輝かないのであって、アーセナルに移ればアンリと組んでまだまだ活躍できる。ロナウドが動かないので、ロナウジーニョはサイドにボールを渡すしかないけれど、カフーとロベカルじゃもうだめだ。バルサならロナウジーニョがボールを持てば、エトオががんがん走っていると言っていたこと。いちばん面白かったのは、パレイラとジーコの選手起用が同じやり方──序列と格──だと言っていたこと。ロビーニョやシシーニョを最後に出してきたもんね。ロビーニョ、アドリアーノだったらフランスのディフェンダーが最後までもったかどうか?
 アルゼンチンやイングランドの敗因についても皆、同じことを思っているんだな。アルゼンチンはもうちょっと見たかったな。同感。

 そんな話を聞いてからコンピュータを立ち上げると、中田英寿引退のニュース。どうするんだろう?と思っていたら、引退か? 賢い選択かもね。給料が高すぎてもらい手がないのが現状だからね。

 でもジズーを見てると辞めたくなくなるんじゃないかな。昨日の会見では、Encore deux!(あと2ゲームだよ)と言っていた。ブラジル戦ではひとりだけ異次元に赴いていた。フェイントひとつで大観衆を味方にできるのを見ていると、「ロナウジーニョもカカもガキに見える」(原博美)。フットボーラーがピッチを去るときは、「フットボール以外の自分探しの旅」なんて下らないことを書くんじゃなくて、フットボーラーとしてスパイクを脱ぐときに過ぎないんじゃないか。ヒデがヒデなのはフットボーラーだからであって、それ以外の「自分」についてぼくはまったく興味がない。昨日のゲームでジズーを見、そして彼のインタヴューを聞くと、自らの調子の良さを感じてのことだろうが、とても静かな気持ちで最後を迎えているのが分かる。日本語が読めるわけではないので、ぼくの罵詈雑言は知らないだろうが、素直に、そして誠実に謝罪の気持ちを伝えて、あと2ゲーム(準決勝に負けても、3位決定戦がある)見守りたい。Encore deux!と静かな口調で言い、少しだけ微笑んだ彼を記憶に留めておきたい。

 ペルージャ時代、ピッチの中央に君臨したヒデ、そしてローマに移籍してトッティの代わりに後半出場して輝いていたヒデ、パルマで冷や飯を食わされてから、一向に復活の兆しを見せないヒデ。盛りを過ぎた感は否めない。彼をセカンドストライカーで使うといいんだが、と釜本は自らの後継者にヒデを指名していた。いちばんシュートがうまい奴を前線に置かない手はないと付け加えていた。あれは02年のW杯直前のことだ。ぼくは、昨日のイングランドのハーグリーヴズを見ていて、ヒデもハーグリーヴズのように運動できるだろうし、どこか4-1-4-1のアンカーにヒデを使ってみたいという監督が出てくればいいなとも思っていた。そうなれば、あと2〜3年はヒデが活躍できるのではないかと思っていた。でも、勝手に別の「自分」を探して欲しい。

投稿者 nobodymag : 2006年07月03日 23:00