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juillet 04, 2010

スペイン対ドイツ、すごく楽しみ!

 セレソンの敗北の後はウルグアイ対ガーナの「物語を越えた」勝負。ウルグアイが残った。もうこういうゲームはフットボールの「ゲームの規則」も越えている。スアレスのバレーボールのブロックのようなレッド覚悟の行為が、結果的に英雄的な行為になる。やっぱりPK戦の論理はフットボールではない。ここまで疲労しているなら、後15分ぐらいやってもいいんじゃない?クォーターファイナル以降は、ウィンブルドン──そういえば今年は1ゲームを見ていない──みたいに決着が付くまでやるのもいいかも。
 そして翌日。ドイツのミュラーとエジルは、ホント、すごいね。レーフ監督はバルサがいちばん好きだと公言しているけれども、彼の織りなすフットボールは、ゲルマン魂だのと呼ばれていた頃のフットボールじゃない。バルサとはちょっと違うけれども、リトマネンがいた時代のアヤックスみたい。一昔前のドイツと言えば、ぜったいに3-5-2でリベロがいたフォーメーションだったけど、隔世の感があるね。ドイツが立派いにチームとして仕上げてきたのに対して、マラドーナのアルゼンチンは、勝つ進んできたがゆえに何の反省もしていないし──だいだいマラドーナに反省なんて言葉は似つかわしくないね──、勝ったことで欠点が覆い隠され、まったくチームになっていないままドイツと対戦。やっぱりフットボールはチームスポーツなので、どうしてもチーム戦術が必要になる。マラドーナにはそんなイロハも関係ないんだろうね。お気に入りの11人を並べればチームさ。でも、それじゃクォーターファイナルは勝てない。チームそのものだったブラジルだって、チームが崩壊すれば無残な結果に陥る。さらば、やる気だけでチームとはどういうものなのかなんか眼中にない。それで惨敗。当然。でもマラドーナはフットボールと関係のないスペクタルとしてとても面白かった。何せ4-0だもんね。オーストラリアからもイングランドからもアルゼンチンからも4点取るのはやっぱりすごい。
 クォーターファイナルのラストは、スペイン対パラグアイ。デルボスケも頑固だね。メンバーいじらないもんね。PKとその失敗の応酬。そして、デルボスケはとうとうフェルナンド・トーレスを見切る。55分。トーレス・アウト、セスク・イン。トーレスは大好きな選手なんだけど、しょうがないよね。ノックアウト・システムで、負ければ終わりだからね。そしたらボールが回るようになった。別にセスクがいっぱいボールに触っているわけじゃない。でもミッドフィールドが広がる感じ。そしてシャビ・アロンソ・アウト、ペドロ・イン。なに!シルバ・インじゃないの?でも結果的にペドロのシュートがポストにあたり、リフレクションをビジャが決めて、スペイン勝利!
 パラグアイも頑張ったけど、こんなとこでしょうね。それに、もしここでスペインが負ければW杯がつまらなくなるじゃないの。でも、パラグアイのディフェンスは良かったね。最後までプレッシングを貫いていた。こういう誠実なチームはいいね。しかし、それでもすごいのはチャビ! 最初はプレスを嫌がっていたけど、後半になったら、プレスを利用して、ワンタッチ、トゥータッチで回し始めた。セスクのフリーランニングが生きていたことにもなる。ドイツとのセミファイナルは、もうトーレスはいらないでしょう。ビジャのワントップの下に4人のチビちゃん。そしてアンカーにシャビ・アロンソ。ブスケツは、次回もあるから。ベッケンバウワーの「勝ったチームこそ強いんだ!」は、もうやめて、「格好いいフットボールこそ強い」にして、ドイツと真っ向勝負で勝って欲しいね。

投稿者 nobodymag : juillet 4, 2010 01:31 PM