nobody issue 39「梅本洋一の仕事と時代」
2013 年 7 月 25 日発行
定価 1,575 円(本体 1,500 円)

追悼 梅本洋一
「映画批評=現在と並走すること」
『ヤンヤン 夏の想い出』上映+トークイベント

特集 梅本洋一の仕事と時代

2013年3月に急逝した映画批評家・梅本洋一の「仕事と時代」を、彼を知る多くの人々たちによる証言とテクストで紹介。現在と併走していくために、彼の成した仕事と生きた時代を振り返る。

[寄稿および協力]
青山真治、稲川方人、海老根剛、荻野洋一、北山恒、榑沼範久、黒岩幹子、鈴木啓二、瀬田なつき、千葉文夫、冨永昌敬、濱口竜介、樋口泰人、彦江智弘、廣瀬純、藤原徹平、松井宏、松浦寿輝、松本正道、安井豊作、ジャン=フランソワ・ロジェ、ジャン=マルク・ラランヌ、ティエリ-・ジュス、ドミニク・パイーニほか(50音順・敬称略)

< P016-017 >

< P024-025 >

特集 黒沢清『リアル~完全なる首長竜の日~』

黒沢清監督の劇場公開長編として約5年振りとなる『リアル~完全なる首長竜の日~』は、これまで黒沢清の映画に親しんだ人々にとってだけではなく、本作で初めて黒沢清の映画に触れる人々に対しても、鮮烈な驚きと戸惑いを突きつけるフィルムであるだろう。人の心の中を撮るということは映画にはできない̶黒沢清がつねづね映画に対して抱いてきた確信に対して、しかし自身が真っ向から対決を挑むことになった本作を、監督インタヴュー+論考で紹介。

< P02 >

< P003-004 >

特集 ニコラス・レイ『We Can’t Go Home Again』公開
        「102年目のニコラス・レイ」

かつて「映画とは、ニコラス・レイのことである」と、ジャン=リュック・ゴダールは記した。ヌーヴェルヴァーグの世代の作家主義政策以後、特筆すべき「映画作家」のひとりとして称揚されたこの映画作家は、そのキャリアの終盤、様々な実験的手法を大胆に取り入れた『We Can’t Go Home Again』なる怪物を撮り上げる。1973年のカンヌ国際映画祭で初上映されたものの、その後劇場公開などには結びつくことなく今日まで陽の目を見ることはなかったこのフィルムだが、ニコラス・レイの命日の前日である6月15日に、ついに日本でも劇場公開されることになった。今回の小特集では、映画批評家の藤井仁子氏による、そのフィルモグラフィーを貫くレイの「民主主義」の理念をめぐる刺激的な論考と、レイの最後の妻・スーザン・レイ女史が『We Can’t Go Home Again』の制作過程について記した貴重なテクストを掲載。

< P142-P143 >

特集 ベン・リヴァース『湖畔の2年間』

森と雪と湖に囲まれた中で暮らすひとりの初老の男性を見つめる90分間。16mmの粒子とコントラストが織りなす映像、そこに被さる音。それらはかつて経験したことのないほど芳醇なものであると同時に、まるで映画という技術が発明されてから現在に至るまでずっとそこに存在し続け、発見されるのを待ち続けていた映像と音であるかのようでもあった。
今年の2月に開催された第5回恵比寿映像祭で上映された、ベン・リヴァース『湖畔の2年間』を、監督インタヴュー+論考で紹介。

< P122-P123 >

インタヴュー

[追悼] 大島渚「さらば夏の妹よ」荻野洋一
[インタヴュー] ライト・コーン、30 周年の灯火(聞き手=ラファエル・バッサン)
[インタヴュー] 太田和彦「シモキタと酒場、そして映画」

連載

[連載] 世界のすべてを肯定するために 特別篇 「映画監督は撮影までをどのように段取るのか—万田邦敏の場合」小出豊
[連載] 社会派見学第9回 映画館「アクション・クリスティーヌ」
[連載] ロケーション第6回 成瀬巳喜男『 晩菊』
[連載] 長い行進第3回 規格を考える企画