02.11/19

 

 ワケあって村上龍の『イン・ザ・ミソスープ』を読む。普段からあまり小説を読まない私は、やはり彼の小説もほとんど読んでいない。コインロッカーズベイベーぐらいじゃないかな、読破したのは。思うに、村上龍は人の悪口を的確に書いてくれる、だからそれはそれで面白いし、役に立つ。(使ってないけど)。この人と口喧嘩はしたくない、口下手な私は絶対負ける。
 ところで私は今買い物がしたい。もちろんブルータスの特集「買い物ブギウギ」を立ち読みしたからだ。例えばここに載ってる有名人たちには、「自分がいかにこうした品々を普段から自然に買っているか。それだけにしか賭けていないこの呑気な奴らを、オレはマジで軽蔑する。ヴィトンのモノグラムやエイプの迷彩に身を任せてる奴らの方が、よっぽどマシな人種だ」などと書かれるのだろうか。以前村上龍は「言葉を失って喘いでいる人々の叫びと囁きを<翻訳>するのが文学である」と言ったらしい。一方、最近翻訳の出た『批評と臨床』のなかには「民衆=人民(ピープル)のために書くこと__(『〜のために』という表現は、『〜の代わりに』というよりもむしろ『〜のことを思って』を意味する)という一節がある。
 年が明ければ妹が成人式を迎える。時計を買ってあげようと思い立ちビームスに入ったが、店員の女の子と喋って帰った。ごめん、妹よ。

松井宏

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