実家に帰省している。昨日帰りの新幹線で窓から見た、できかけの高速道路の風景で『青の稲妻』を思い出したせいか、これまでちょくちょく帰省したときには考えなかったことを考えてしまう。
たとえば。山形駅に駅から直接伸びる立体交差というか歩道橋というかそんなものができた。普通こういう場合駅前のメインのデパートやビルなどに地面に降りることなく直接行けるようになるものだと思うのだが、本来メインになるべき建物があるはずの場所は現在空地である。不況を嘆くとかそんなではなく、単に何の目的でこんなものを作ってしまったのかが知りたい。謎である。
さらに全く関係ないことだが、私の卒業した中学の前の工場がなくなって住宅地になりかけている。在学中、一度その工場が火事になったことがあった。消防車や救急車が山程来て、騒然とした。別に深い思い入れなどないが、できあがりつつある住宅街に足を踏み入れて、なんか西にも東にもこういう風景があるな、と思った。ここで話を無理矢理nobody次号の「表参道特集」の方へ強引に持っていくと、建築家の飯田善彦さんが、同潤会アパートの建て替えと資本の流入による有名建築家の建物の濫立で、表参道が「海外の人が来ても全く違和感のない街になる」と言っていたのを思い出した。
最後に強引ついでに、私の家の前に車2台すれ違うのがやっとという決して広くない道がある。その道は最寄りの郵便局まで真っ直ぐ続く。これまで一度も長い道だとは考えたことがなかったのだが、ふと表参道の明治通りと青山通りの間の距離くらいはあることに気付いた。だからなんだということはないのだが、見通しは家の前の道のほうが断然良い。
結城秀勇