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2005年2月 2日

2005年2月2日

「あの、今日あんまり時間ないんで、早めに終わらせて頂けますか?」妙に丁寧な言葉遣いで、彼が私にいう。私は少し言葉に詰まる。彼は今日初めて私についた新規のお客さんだ。その彼がマッサージの途中でこんなことを言い出すのは、つまり私のことが気に入らなくて、さっさと抜いてさっさとかえりたいと思っているということ。何か気に触ることを言ってしまったのだろうか。私はとたんに不安になる。びくびくしながらマッサージを続ける。固まった彼の背中にぐいぐいと親指を押し付ける。もしかしたら、私のマッサージの力が強すぎるのかもしれない。「痛くないですか?」私は彼に尋ねる。「うん、大丈夫」。ですよね。そこまで力入れてませんもんね。あ、まさか全然凝ってないのかな。私はあわてて親指を背中から離す。「もしかしてくすぐったいです?」「……え? あぁ、大丈夫です」。うつぶせに寝かされた彼は、自分の背中とそこにまたがる私のことなど意に介せずに、あさっての方向を向いている。取りつくしまがない。「……どこか、特に凝っているところありますか?」「うーん。目が疲れてるから、肩とかかなぁ?」私は即座に肩に手を回す。オイルをつけて、肩甲骨の周りをゆっくりとほぐしていく。手の平に、固まった筋肉の硬い感触が伝わってくる。「確かに、グリグリいってますねぇ」。今までずっと的外れな場所をマッサージしていたのかもしれない。それが気に入らなかったのか。最初からこう聞いておけば良かった。私はマッサージを続ける。小指の骨の下のところで、背骨と肩甲骨の間をリズミカルにたたき上げる。突然彼が口を開く。「どうです? 凝ってますか」。私は驚いて手を止める。さっき彼は、自分で肩が凝っているとは言わなかったか。癒されにお店にきたお客さんであるにも関わらず、彼は自分の体に、あまりに客観的すぎはしないか。「はい。多分……」。私は残念ながら、マッサージされている時のお客さんの反応以外から、凝っている・いないを見極めるほどのスキルは身につけていない。なんだかただの肉のかたまりに指を押し付けているような、むなしい気持ちになってくる。私は手を止め、彼の背中にかけられたタオルをたたむ。性感タイムだ。私はナース服を脱ぎ、彼の背中にベビーパウダーを振りかけた。「あの、パウダーマッサージは結構です」。私は唖然とした。普通のマッサージだけならともかく、彼は性感マッサージすら受け入れるつもりはないようだ。「じゃあ、四つん這いになって頂けますか」。私はできるだけ穏やかに、彼の腰骨に手をかける。「……それもいいです」。一体彼は何しにきたのだろう。「じゃあ、仰向けになってください」。私は彼のペニスにローションをたらし、じらすようにそれに軽く手を触れた。「あぁ、やめてください。いっちゃいそうです」。一体私はどうすればいいのだろう。持ち玉は全てあっさりと打ち返された。彼にしてあげられることは、なくなってしまったのだ。「……」。かける言葉も見つからない。すると彼が、ペニスを握る私の手を振り払い言った。「あの、ちょっといいですか」。仰向けになっていた彼は突然体を起こし、私のおっぱいを握った。攻め好きだったのか。わたしは思わず体を固くする。すると彼が、あったかいお風呂に入った時に思わずもれたとでもいうような声を出した。「……はあぁ」。おっぱいをもむ手が止まらない。それは、私を気持ちよくさせようというよりは、純粋におっぱいの形や大きさや手触りを確かめるような種類のもみ方だった。「あの、ちょっと起き上がって頂けますか。おっぱいを下からみたいんで」。私が起き上がると、彼も起きだして重力で重みを増したおっぱいを下から両手で持ち上げて頬をすり寄せた。「……はああ……」。私はされるがままにしばらくそれを見つめた。「もう大丈夫です。あの、いっちゃってもいいですか?」彼はそういうなりおっぱいから手を離し、再び横になって目をつぶった。私が彼のペニスに手を触れると、そのままそこから白い液体が飛び出した。冗談みたいにあっという間の出来事だった。
つまり彼は、女の子とおしゃべりしにきたわけでも、体が凝っていたわけでも、いやらしいマッサージを受けにきたわけでも、女の子を攻めにきたわけでもなく、ただ本当に純粋に「おっぱい」を触りにきたのだった。思わず笑いをかみ殺す。私の視野が狭かったのだ。

投稿者 nobodymag : 2005年2月 2日 14:33