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2005年1月20日

2005年1月20日

仰向けに寝転がり、両膝が肩につくくらい足を持ち上げた格好で、お客さんが私に言う。「もう1本入れてみて」。私は彼の持ち上がった裏モモを左手で支えながら、ゴム手袋をはめた右手の中指をゆっくりと彼の肛門へと挿入する。ローションでぬるりと光る彼のアヌスには、すでに人差し指が差し込まれている。「もう1本入れてみて」。細い目で彼が私に言う。私は言われるままに薬指を入口の前までもってくる。先に差し込んだ2本の指をお尻の内側で「グッドラック」の形に重ね合わせると、入口に少し余裕ができる。その隙間に、薬指を滑り込ませる。私はぐっと生唾を飲み込む。ゆっくりと時計回りにひねりながら、指をお尻から抜き出し、今度は反時計回りにうねらせて、またその指を内側へとひねり込む。それを何回か繰り返す。動きを徐々に加速させる。クルックルックルッル……「……痛い!」彼の小さな叫びに私はハッとなって手を止める。彼の顔を見つめる。「すいません。大丈夫?」彼は顔を上げて私を見つめ返す。「動かさないで。じっとして」。差し込まれたままの私の指のまわりで、彼の内側の筋肉が徐々に弛緩していく。「そのまま、押し込んでみて」。彼が言う。私は再びローションをたらし、広がっていく内側の壁にぴったりと沿うようにして、3本の指を肛門へと挿入する。手首をひねり、慎重に人差し指と中指の付け根のところの関節を入れる。するとちょうど親指と小指が弁になり、これ以上奥へ指を押し込むことができなくなる。「もう1本入れてみて」。私は驚いて彼を見る。日常生活の延長としてかろうじて考えられうるような太さはもうとっくに超えている。私はいったん関節を引き抜き、今度は3本の指を三角形の形になるようにぴったりとつけ、そこに小指をそわせて再び慎重に肛門へと押し込んでいく。「……全部入れて」。私はくっつけた4本指に親指を加える。ちょうど影絵でつくる狐を、長細くしたような格好だ。入口あたりはもうすっかり緩くなっていて、彼のお尻はあっという間に5本の指の付け根まで飲み込んでしまう。問題は山になって一番太い拳の部分だ。私はくっつけてあった5本指を、彼の内側で徐々に離していく。私の指の形に合わさって、中の肉が鈍く変形するのがわかる。生暖かくて柔らかい触感が、5本の指を隙間なくぴったりと包み込む。腕に力を入れて、関節を押し込む。なかなか奥には入っていかない。彼が声を漏らす。肛門が閉まる力よりも少しだけ強くて、締まった内側の肉に刺激を与えすぎない程度に弱い、すごく微妙な力加減で、徐々に徐々に関節を彼の中へ埋もれさせる。少しの誤差も許されない。息をするのさえ阻まれるほどに緊張し、指先に全神経を集中させる。と、ふっと力が抜ける。拳が真っ暗な彼の中に飲み込まれたのだ。そのあとは彼の肛門筋の動きに従い、私の右手は自動的に彼に吸い込まれ、同時に指先は彼の奥深くへと分け入っていく。手首から先が彼の中にすっぽり埋まってしまった。私の体のほかの部分が、ふんわりと室内の空気に触れ、柔らかい弛んだかすかな感覚に包まれる一方で、彼のおなかに埋め込まれた右手だけが、異様な圧迫感と、熱を感じている。指先をまさぐると、中指のハラが、何か1枚の薄い皮で守られたようなちいさな入口に触れる。その皮膜はこれ以上ないくらいに突っ張ってピンピンだ。傷つけると、出血して命に関わる事態になる、と以前聞いたものは、これのことかもしれない。把握不能な領域に対する恐怖感が私を襲う。彼の命が、私の手に握られている、いやそうではなく私の右手が、ゴム手袋1枚を境にして彼の命にすっぽりと包まれている。内側の肉が徐々に熱を帯びだす。彼の変化していく体温や、筋肉や血管の動きが、手のひらを通してすべて直に伝わってくる。しかしそれらがいったいどういう風になっているか、実際目で確かめることはできない。得体の知れない生きた肉の塊が、ただそこにあるというそんな感じ。私はゆっくりと左手をペニスへともっていく。この最中彼のペニスは終始勃起している。がっちりと固定された右手が邪魔で、ローションに左手が届かない。私はとっさに口から唾をたらし、彼のペニスを刺激していく。彼が感じる快感の波に従って、お尻の筋肉がキュウッと縮む。体温が高まる。「ウッ」と小さな声を漏らし、ペニスの先から精子が飛び出す。圧迫した内側の筋肉が、血液のようにあふれる精子のどくどくに合わせて、徐々にその緊張を解いていく。大きくひとつ呼吸をして、私はゆっくりと右手を引き抜く。右手に張りつめていた私の意識がゆっくりと散漫し、彼にもたらされた圧迫によって冷たく固まった右手に、私自身の暖かい血液が流れる。ほとんど反射的に、私はその手のひらを返す。一般的に、どこかの穴に手を突っ込むという行為は、その穴の中にある何かを取ってくるという目的のために遂行される。私の右手は彼の内部に潜り込み、慣習的にその彼の「一部」を、剥ぎ取ってきはしなかったか。しかしゴム手袋で覆われた手のひらには、何もついていない。幸いにも私は手ぶらでかえってくることができたのだ。ほっと安堵の溜息が漏れる。さっきまで私をくわえていた彼のお尻の穴は、ぽっかりと大きく口を開け、左右の尾てい骨に挟まれて、縦にだるんと伸びている。その先は真っ暗な闇に包まれている。完全な暗闇が、彼の中から顔を出している。

投稿者 nobodymag : 2005年1月20日 15:18