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2007年09月08日

Beyond the reasonable doubt:フランス対アルゼンチン 12-17

 開幕戦、フランスがアルゼンチンに何とか勝利を収めるだろうという予想が外れた。自国開催のホームアドヴァンテージ、それにランキング(フランス3位、アルゼンチン6位)が、その予想の拠り所だった。だが、接戦になるだろうとも思っていた。2002年から2004年にかけてアルゼンチンはフランスに負けていないし、その後、フランスが勝ったときも、常に僅差の接戦だったからだ。
 展開は予想通り。フランスに対してアルゼンチンが徹底して前に出るディフェンス。そしてフランスのミスを誘いPG。FWを前に出すため、アルゼンチンはキック。多様なキック。ハイパントというアナクロなやり方も有効だった。結果は12-17。レミ・マルタンのパスをインターセプトされたことがきっかけでアルゼンチンがとった1トライ差。あとは4PG同士。アルゼンチンの気迫が勝利を呼び寄せた。
 だが、フランスは、常に僅差の勝負が続いているとき、勝敗を決するのはPGだ。アルゼンチンがコンヴァージョンを除いてほぼすべてを決めたのに対して、フランスは、スクレラとミシャラクがイージーなPGを外している。つまり6点。もしその6点が入っていたとすれば、フランスが1点差で勝利を収めたことになる。だから、ここ最近のフランス対アルゼンチンのゲームがここでも再現されたということだ。
 問題はアルゼンチンがハイパントという戦術を使ってきたのに対して、フランスは戦術的な応用力がなかったこと。かつてのフレアは影を潜め、ディシプリン偏重によって確かにディフェンスはよくなったが、かつて体験したことがある「信じがたいトライ」がなくなっている。だが、この1戦で勝負が決まるわけではない。前々回のW杯もグループリーグはさっぱり調子が出なかったフランスが、決勝トーナメントに入ると一気に調子を上げオールブラックスを敗ったこともある。ジョジオンの語る通り「今は一体感が必要だ。下を向かずに次戦に備えること」だろう。
 快勝したアルゼンチンにしても問題がないわけではない。17-12というスコアは30点の攻防戦という近年のラグビーからすれば、極めつけのロースコア・ゲーム。つまり、アルゼンチンも1トライしか上げていない。トライを取るのが、インターセプトとディフェンスからということ。仕掛けがハイパントだけではきつい。

投稿者 nobodymag : 2007年09月08日 21:15

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