02.11/04

 

 ようやく上がってきたいくつかの原稿を校正していると、なんとひとつも直すところのない原稿を発見する。いままでいくら言っても、さっぱり直らなかった誤字脱字、表記の統一されてない原稿だらけだった中にだ。思わず、疲れているのか、ついに私も耄碌してきたのかと我を疑うも、一応何人かが確認済みだ。感動に胸が打ち震える。
 こんなことで感動するなんてちっぽけな人生だとは思うものの、毎回毎回雑誌が刷り上がってくる度につくづく校正の不備を思い知らされているのだからいた仕方ない。前回なんて完成したばかりの雑誌を持ってお店に納品に行ったら、「今から校正してあげるよ!」なんてきつい一言を言われてしまったし。しかしいくら注意してもなぜかできあがって冷静にみるとわかるもので、今回もまたそれかもしれない。青焼きがあがってきて最終の原稿チェックをする時が一番つらいのだ。ミスを全て変更してもらうことはできないし、どうしても直さなきゃならないところは、印刷所の方にも無理を言うことになってしまう……。
 などと言っているうちに家のプリンタが壊れてしまった。思えばもう購入してから3年くらい経っているはずで、これまで何もなかったことの方が不思議なくらいだが、何もこんな時に壊れなくてもとプリンタに八つ当たり。

中根理英

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