文字だらけの雑誌をつくっておいて何なのだけど、最近雑誌がすっかり読めなくなってしまった。もちろんつまらない云々という話ではなく、単に小さい字で大量な情報を読む気にならないとか、そういったレベルの問題なのだとは思うけれど。そんなわけでスタジオボイス最新号も、買ってすぐにカフェで広げてみたものの、どうにも字面が頭に入ってこない。しかしアメリカン・ニュー・シネマという枠に括られる監督ってこんなにいるんかね……ウディ・アレンまで入れなくてもなあ。おばちゃん的にはもうちょい限定して欲しいのう。万田さんもこの中で書いているけれど、アメリカン・ニュー・シネマって、監督よりまず役者が先立つってところもあるわけだし。
まあ最近のハリウッドの若手監督たちとアメリカン・ニュー・シネマを結び付ける以上、いろんなサンプル(監督名)を出す必要があったんだろうけど。しかし、「スターのスター性を日常性によって暴いた」アメリカン・ニュー・シネマとソダーバーグやらコッポラJrなんかの映画の間にはどうしたって齟齬がある気がする。じゃなきゃ何も『オーシャンズ11』なんて映画撮らないのではないだろうか。だからむしろニュー・シネマ以前に目を向けたほうがまだ気が効いていると思う。
黒岩幹子