今日はフィルメックスの最終日で、あまり見に行けなかったけれどもとりあえず授賞式は見ておくべき、なんていうあまり根拠のないことを考え、有楽町に出かける。なんだかいきなり寒くなり、でもまさか雪まで降ってくるとは『月曜日に乾杯』を見ていた時点では考えもしませんでした。そんな『月曜日に乾杯』もバイトの時間になり途中で退場。完全に不完全燃焼で終わってしまった。
ところで、フィルメックスの会期中、時間が合なかったため時間つぶしに1階下の劇場で見た『トリプルエックス』の落ちがまんま『ミッション・インポッシブル』だったのはかなり呆れました。というよりむしろ『MI-2』と比べるなら『トリプルエックス』のほうが完成度が高いような気もしてしまった。トムクルーズの格闘シーンをスローモーションで長々と観るよりも、雪崩の中をスノーボードで滑っているところを長々と観ているほうがまだよいといった程度の基準ですが。あまり関連が無いかも知れませんが、ジョン・キューザックのクリスマスものの映画と『チェンジングレーン』で同じ音楽がかかっていたり、『マイノリティ・リポート』でもムーン・リバーがかかったりと、アメリカ人は結構他人と同じことをやるのを気にしないのではないかと最近思うようになりました。
さて、フィルメックスですが、身の回りのあまり映画とは関係ないようなバイトの友人なんかでも、チラシを見せたりすると「伊勢谷雄介のは観たかった」という人や、「鉄男の監督のやつが観てみたい」などという人が結構いたりして、とくに「カクト」を観たという話が自慢できたりします。ラインナップがかなり絶妙だったのではないかと思います。ただ、名の知らないような監督のコンペ作品をたくさん観るのが正しいフィルメックスの楽しみ方なのでしょうけれども。
志賀正臣