うちの近所のゴミ捨て場にはたまに変なものが捨ててある。スケボーの板だけとか。この間、ちょっと前に深夜のテレビショッピングで盛んにやってた「ボディブレード」(長さ1m30cm幅5cmくらいの板の中央にゴムでできた取っ手がついていて、そこを持って体の前とか頭の上とかでびよんびよんやる健康器具です)の紛い物が捨ててあった。買って使っていた時も恥ずかしかったろうが、捨てる時は更に恥ずかしかったのだろう、夜中コンビニに行って帰ってくるごく短い時間の間に、ゴミ捨て場にぽつんと置いてあった。しかも無惨に投げ捨てられていたのではなく、電柱に立て掛けられて直立不動だったのがせつなかった。情に駆られたのか、私はそれを持って帰ってきてしまった。無論狭い部屋の中でびよんびよんやる気もないし、なにか他によい使い方を思いついたわけでもない。もはやこれを貧乏性と呼ぶのかもわからない。このようにリサイクルという発想からまったくかけ離れたところで、ぎりぎり一歩手前で踏み止まってゴミになることを遅延し続けている、「もの」としか言い様のないものが、これの他にも結構部屋の中にある。よかったら誰かもらってやってください。
結城秀勇