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03.3/27

 

 1968年生まれ、「リュミエール世代」に括られそうな藤井謙二郎さん(もちろん実際に読んでいた)は、しかし「(当時のシネフィル的な環境には)異和感があったんですよ」と言う。
 今日は18:30より新宿にて藤井さんとのインタヴュー、御存知のように『≒森山大道』、『曖昧な未来』の監督。ちなみにこの時間帯でのインタヴューは個人的に初なので少し不安、急にどんよりし始めた天気も、ネ。
 と、やってきた藤井さんは焦げ茶のレザージャケットにブルージーンズ、真直ぐ伸びた背中に乗る端正な顔、街の雑音(窓が開いていた)全てから抽出されたような、低く広がる太い声……、非常にいい男だ。
 さてここで問題をひとつ。フィクションより面白いものって一体なんでしょう?(現実、ではありません決して)。そんな質問もちろんしなかったが、要するに藤井さんの答えはきっとこうだ、<クロサワキヨシ>あるいは<モリヤマダイドー>。じゃあ、そこでどんなフィルムを撮るのか。答え、彼のフィルムは<キヨシ>や<ダイドー>の一部に敢えて組み込まれてしまう……OKじゃん。でもそれって現実ではないのかって? いやいや、違います、「フィクションだけどフィクションより面白いもの」です。ん?アッ、これって<現実>か?
 などなど、もしまだ彼の作品を見てない人は、以上のことを頭に入れて見て下さい。もう見た人も、もう一度。そうそう言い忘れていましたが、以上は全部嘘です。楽しみにしていて下さい。

松井宏