特集:真利子哲也『NINIFUNI』

真利子哲也監督と俳優・宮﨑将による最新作『NINIFUNI』が2月4日(土)から公開される。昨年のロカルノ国際映画祭でも注目を集めた今作。今回はなんとこの42分の中編一本勝負のロードショー。nobody35号でもそれぞれインタヴューに応じてくれた真利子哲也と宮﨑将のこのコンビ作の公開に際して、幸運なことに、ふたりによる対談が実現した。国道沿いの「なんでもない」風景とそこを歩きまわるひとりの男を淡々と捉えたこの作品は、いったいどのようにして生まれたのか? 近年の日本映画の中でも最重要作であるこの『NINIFUNI』をめぐる小特集をお届けする!

対談:真利子哲也×宮﨑将
「なんでもない」風景の先に

――この『NINFUNI』の配給・公開が決まったのはいつ頃だったんでしょうか?

真利子ロカルノ国際映画祭に出品されたあとだったので、「CALF夏の短編祭」(2011年9月3日~9日@ユーロスペース)で上映された前後にいただいた話だったと思います。過去の短編作品との併映も考えましたが、最終的にはこの中編の一本勝負で上映することに決めました。

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何か、は起きない 増田景子

エンディングテーマ曲であるももいろクローバーの「行くぜっ! 怪盗少女」が気持ちよく終わった瞬間、42分の中編映画を見たとは思えないほどの充実感と疲労感がおそった。真利子哲也監督の最新作『NINIFUNI』は42分間をフルに使い、一寸も休ませてくれない。

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なんでもないけど、なんだかすごいぞ〜
『NINIFUNI』をめぐって〜 松井 宏

映画は何かにとって有意なものでありえるのか? もちろんありえる。ではつねに有意であるべきなのか? いや、かならずしもそうではなかろう。そして、たとえば『NINIFUNI』のなかにあるワンショットが立てる問いは、おそらく次のようなものだ。映画は有意なものでありえるがしかし、映画はまた徹底的に不真面目なものでもありえるのではないか? そして答えはイエスだと、その同じワンショットはすでに示す。

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©ジャンゴフィルム、真利子哲也

『NINIFUNI』

2011年/42分/カラー/1:1.85
監督・脚本・編集:真利子哲也
共同脚本:竹馬靖具
撮影:月永雄太
録音:高田伸也
出演:宮﨑将、山中崇、ももいろクローバー、
   玉井英棋、宇野祥平

2/4(土)よりユーロスペース、2/25(土)よりシネ・リーブル梅田、シネマスコーレ、京都みなみ会館ほか全国順次ロードショー!
公式サイト:http://ninifuni.net/