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2006年06月15日

スペインの本気はいつ?

 誰の目から見てもスペインはウクライナに対して素晴らしいゲームをした。なにせ4−0。ブラジルがクロアチアに1−0、スイスとフランスが引き分けといういかにもW杯らしいゲームが多い中で4−0はすごい。ウクライナにひとり退場者が出たとはいえ、全員のパススピードが速く、ボールと人が連動し運動していくスペインのフットボールは大好きだ。ロングボールでシェフチェンコの一発だけが狙いのウクライナのアタックはプジョルが完全に押さえ込み、ショートパス、ミドルレンジを織り交ぜながら、中央にサイドにボールを運動させていくアタックは心地よい。
 この組(他はチュニジアとサウジアラビア)は比較的楽だが、1位抜け争いでは、スペインが完全に優位にたった。そして、楽な展開のためか、次々に控えのメンバーがピッチに送り出されたが、先発とまったく遜色がない。

 だがこんなゲームは連続してできるものではない。この日のスペインを見たサウジやチュニジアは、もっともっとスペインの中盤にプレッシングしてくるだろうし、まずは負けないフットボールを展開しくるにちがいない。パスコースを分断し、中盤が激しくなると、シャビやシャビ・アロンソのパスがぶれてくる。すると前戦が孤立してくる。今日のようなゲームはなかなか反復しない。もし、それがサウジ相手でもチュニジア相手でもいいが、同じような完勝が繰り返されるとすれば、スペインは、本当に強いチームだと言えるだろう。かつてのスペインの常套句である「無敵艦隊」を思い出すのは、次のゲームが終わった後で良いだろう。

 それに比べて、フランスはどうだろう。勝てない、点が取れない。選手の流動性が乏しい。ジダンがマケレレがテュラムが帰ってきても、停滞感は目を覆うばかり。動いているのはリヴェリくらい。思い出してみれば、フランスの停滞は今に始まったことではない。2002年の予選敗退でも、ユーロ2004でもこの停滞は同じで、デシャンとプティ(ヴィーラ)に支えられたジダンが奔放にチャンスメイクした1998年や、特にユーロ2000と比較すると、停滞どころか後退だけが感じられる。

 そしてブラジルは? カカのビューティフルゴール1発で勝った。守備を固めたクロアチアを攻めあぐんだが、万が一クロアチアが同点にしたなら、ブラジルの力はもっと引き出されたろう。フランスの不出来に比べれば、緒戦のブラジルはこんなものだろう。次戦、もしオーストラリアが対日本戦のように攻めてくるとすれば、ブラジルはオーストラリアに3−0くらいで勝てるだろう。打ち合うのを控えたクロアチアは、比較的ブラジルのアタックを防いではいたが、これでは引き分けることはできても、勝てはしない。

投稿者 nobodymag : 2006年06月15日 00:10