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2007年09月16日

End Game : イングランド対南アフリカ 0-36

 イングランドがまったく見る影のないほど衰退している。力もスピードも技も若さもないFWとまったく切れ味を欠いたライン攻撃しか持たないバックス。スプリングボクスの前に屈辱的な大敗を喫した。このチームを上向かせる処方箋はあるのか?
 4年前の同じカード。接戦を制したのはウィルキンソンの左足だった。ほとんど五分のFW勝負でキック力の差で乗り切った。だが、このゲームを見る限り、たとえウィルキンソンが復帰したとしても、結果はそう変わらないだろう。4年間もほぼ同じメンバーでFWが戦い、すでに4年前もヴェテランだったFWがさらに年齢を重ねれば、体力の衰えは目を覆うばかりになる。ここ一歩が届かなくなり、ディフェンス網は次第に決壊を開始する。こういうチームのカンフル剤は一発必中のタックルなのだが、気迫はあっても、それが相手に「届かない」。4年前も「面白くない」「ラグビーの未来を拓くものではない」と酷評されたが、そんな批判にも耳を貸す必要のないFWの強さと、ウィルキンソンの必中のキックがあった。だが、このチームにFWの強さがなく、ウィルキンソンの左足がなければ、単に何もないチームになってしまう。伝統の白いユニフォームが血で染まり、手負いの獅子のように、最後の力を振り絞っても、「届かない」。つまり、チームは完全に崩壊した。
 だから、結論を書こう。処方箋はない。イングランドはもうダメだ。この程度の力ならサモアにも危ない。

それにしてもトライネイションズの3チームの快進撃とシックスネイションズの6チームの低迷は誰の目にも対照的に映っている。トライネイションズを終えたばかりで力が充実している3チームと、すでにシックスネイションズ以降半年が経過し、その後は真剣勝負の機会を失している6チーム。だから、ゲームを重ねれば6チームも力が上向いてくるはずだ。ジャーナリズムはそう書く。だが、事実上、6月にも交流マッチは行われているし、世界のラグビーカレンダーは変わっていない。イングランドとウェールズは明らかに強化の失敗だ。ヘッドコーチの首をすげ替えなければ変わりようがない。アイルランドとフランスをもう少し観察する必要があるだろう。だが、この2チームは同じ予選プールに属していて、トライネイションズのチームとは当たらない。

投稿者 nobodymag : 2007年09月16日 00:11

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