« End Game : イングランド対南アフリカ 0-36 | メイン | Confidential Report:フランス対アイルランド 25-3 »

2007年09月21日

The Awful Truth :ウェールズ対ジャパン 72-18

 トライ数11-2の惨敗。
 チーム・オーストラリアとチーム・フィジーで戦い、3戦目──つまりこのゲーム──はベストメンバーとJKは語っていた。ベストメンバーで、低調きわまりないウェールズ相手に11トライを献上する。ゲームを見た人なら、このゲームは両チームともミスの山だったことを忘れないだろう。愚戦だ。特にひどいのがハンドリング・エラー。ノックオンの山。こういうゲームをしていては、いくら完勝とはいえウェールズ関係者は、フィジー戦が思いやられるだろう。
 ところでジャパンだ。ミレニアム・スタジアムには空席が目立った。ウェールズの戦術への批判もあるだろうが、それ以上に、このゲームでは心躍ることがないだろうと観客が予想したからだろう。そして、観客は正しかった。3年前の98-0に比べれば2トライ奪ったのだからマシだ。そんな意見もあるだろう。だが、3年前のウェールズは今よりも強かった。ジャパンは、3年前からぜんぜん進歩していない。箕内には悪いけれど、この3年間、萩本、エリサルド、JKと誰も君たちに勝つ味を味わう体験をさせてあげられなかった。
 驚いたことがある。SHだ。ウェールズのSHより、球捌きが遅い。FWが劣勢なら、できるだけ早くモール、ラックから遠くへボールを運ばなければ、スペースは生まれない。そんなことは子どもでも分かる。パスアウトは遅い。東芝ならFWが優勢だから、モール、ラック周辺でもいいのかもしれないが、どう考えてもW杯ではFWのひとりひとりを比べれば、相手が上だ。ならば、早く遠くへ、そしてフォロー。それしかない。だが、出場している選手は誰もそう考えていない。いざアタックとなっても、捌きが遅いので、すぐにタックルの餌食だ。たまたま早く裁けたケースでも、ラインが浅すぎて、トップスピードでボールを受ける選手がいない。小野沢の個人技で一本とウェールズのミスから一本(こっちのトライはよかったが)トライを取ったが、仕掛けて取ったトライはない。何ゲーム消化してきても、トライを取る形もスキルもない。これはセレクションも含めたコーチの責任だ。スタッツでは、このゲームでもテリトリーでは上回っている。サムライ精神だけでは、何もできない。どうやってボールを保持し、それを前に進めてトライを取るのか。誰も考えていないようにしか見えない。
 セレクションの問題にも触れたい。吉田よりもよいSHは、トップリーグなら何人もいるだろう。辻、後藤……。SOもキックで距離の出ないロビンスより、もっとよいセレクションがあったろう。クリスチャンは、スキルの面でインターナショナル・レヴェルにない(落球の多さ、判断力の悪さ!)。キックとタックルのいい大西将太郎はFBにふさわしい。つまり、ポジションと選手の適性についても、このHCは選手を見る眼を持っていない。今さらながら、宿澤の死を悼む。

投稿者 nobodymag : 2007年09月21日 15:32

コメント