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juin 13, 2010

やっぱり3ゲーム!

第2日。この日はギリシャに対する韓国の圧勝で始まった。一昨年のユーロのときにも感じたことだが、オットー・レーハーゲルのギリシャは、もう完全に説得力をなくしている。2004年のユーロでの専守防衛で、ヨーロッパ・チャンピオンになったのだが、あれから6年が経ち、フットボールが完全に変わってしまった。ディフェンス・ラインを低く保って、自陣ゴールにへばり付き、背の高いFWに向かってフィードボールを送るフットボールは、もう通用しない。パク・チソン率いる韓国の速度は、そんな「時代遅れ」のフットボールを切り裂いた。韓国の勝利は清々しい。
 そしてマラドーナとメッシのアルゼンチンはどうだ? エインセのヘッドからの虎の子の一点を守りきったが、ナイジェリアのシュートの精度がもう少し高かったら……ナイジェリアの中盤から前にコンビネーションがあったら……これらifで導かれる仮定法を使いたくなる。アルゼンチンの勝利は、韓国のように清々しくない。まだチームの体をなしていない。もちろん、同じことはナイジェリアにも言える。オコチャやカヌーのようなスーパースターがいないナイジェリアは、そこそこ一生懸命やっているのだが、どんなフットボールを体現したいのか、まったく見えてこない。アルゼンチンが、11人の個人技の集積に過ぎないのと同じように、ナイジェリアも、これといった共通のアイディアを持たない11人がピッチの上に散っているだけ。このBグループでいちばんチームになっている韓国が次節で、アルゼンチンとどう相対するのか。とても楽しみだ。抜け殻のようなギリシャ相手ではなく、ナチュラル・ボーン・フットボーラーたちを並べたアルゼンチンに韓国の速度はそう対応するのだろうか?韓国選手のシュートの精度はナイジェリア選手よりもずっと良いようだし、パスの出所を狙って走り続けるという韓国のアイディアは、かつてのガチガチのマンマークという韓国のイメージと正反対のとてもモダンなものだと思う。
 もう1ゲーム。盛り上がらないと嘆きながら、今日も3ゲーム!多忙だ、と知っていながら、眠いのを知っていながら、イングランド対アメリカ。GKグリーンの後逸で1-1になってしまったゲームだが、イングランドの至宝であるランパード、ジェラード、ルーニーにオーラが感じられない。これでは、ファビオ・カペッロの血圧が上がりっぱなしになるだろう。問題はレノンとミルナー(ショーン・ライト=フィリプス)の両翼。ウィンガー・タイプの2列目を使うとき、両サイドバックとの連携がない。バリー、キャリックという球拾いを使ってランパート、ジェラードをもう一列前にしたらどうだろう?重要なのは、ジェラード、ランパード、ルーニーのトライアングルだと思うが。それにアシュリー・コールとグレン・ジョンソンがガンガン上がれば、ウィンガー・タイプのミッドフィールダーは不要だ。

投稿者 nobodymag : juin 13, 2010 02:22 PM