『わたしたちの宣戦布告』
La guerre est déclarée
インタヴュー:ヴァレリー・ドンゼッリ(監督・主演)+ジェレミー・エルカイム(主演・脚本)
Entretien avec Valérie Donzelli et Jérémie Elkaïm 


新しい人生の方へ

2011年のフランス映画にとびきりの輝きをもたらした『わたしたちの宣戦布告』が、ついに日本でも劇場公開を迎える!
ロメオとジュリエットという名前を持ったひと組のカップルが、息子アダムの難病に立ち向かうというこのフィルムの物語は、監督・主演のヴァレリー・ドンゼッリと共同脚本・主演を担ったジェレミー・エルカイムの間に起こった実際の出来事に着想を得たのだという。自伝的な要素を多分に有しながらも、しかし『わたしたちの宣戦布告』はまったくもって閉じられた作品ではない。
『わたしたちの宣戦布告』は、ひと組のカップルに訪れた悲劇的な試練を介して起こる様々な出来事を、どこまでも直接的に生の輝きとして映し出すような作品だ。たとえそれらの出来事が苦しみや悲しみと呼ばれるべきものであるとしても、フィクションという回路を介してそれらを徹底肯定するための探求こそが、このフィルムの演出であるだろう。『わたしたちの宣戦布告』はロメオ&ジュリエットの悲劇を覆い隠しなどはしない。そのエネルギッシュで鮮やかな映像と音響のコンビネーションにおいて、それを喜劇として生き直す術を模索し、闘うのだ。
インタヴューに際しヴァレリー・ドンゼッリとジェレミー・エルカイムのふたりは、実生活においてはすでにパートナーを解消しているにもかかわらず、まるでついさっき映画の中から出てきたかのような雰囲気で我々を迎えてくれた。ひとつの勇敢な闘いを終え、そしてまた別の闘いへと足を進めようとするふたりに話を聞いた。

ーー『わたしたちの宣戦布告』が私たちを魅了するのは、この映画の音楽的な側面です。それは実際に流れている楽曲が素晴らしいということだけではなく、ひとりひとりの登場人物、あるいはひとつひとつのカットの持つリズムも含めてです。

ヴァレリー・ドンゼッリ(以下VD)音楽の構想はシナリオの執筆段階ですでに存在していて、どの楽曲を使うかもすでに決まっていました。冒頭のMRIの動作音が音楽のリズムへと変化するシークエンスもそう。楽曲の選択理由はそれぞれ異なっていて、ジョルジュ・ドゥルリューの「ラディオスコピー」はたまたまラジオで聴いて知ったものだし、オープニングに流れるフラストレーション Frustrationというバンドはジェレミーがトゥールーズでコンサートを見て発見したものでした。ジェレミーはとても音楽好きで、いつも私に音楽を聴かせてくれるんです。

続き

『わたしたちの宣戦布告』

2011年/100分/カラー/シネマスコープ
監督・主演・脚本:ヴァレリー・ドンゼッリ
脚本・主演・アート&ミュージック・アドバイザー:ジェレミー・エルカイム
出演:ガブリエル・エルカイム、ブリジット・シィ、エリナ・レーヴィンソン、ミシェル・モレッティ、ベアトリス・ドゥ・スタエル
2012年9月15日(土)、Bunkamura ル・シネマ、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
公式サイト http://www.uplink.co.jp/sensenfukoku/

Valérie Donzelli(ヴァレリー・ドンゼッリ) 

左:ジェレミー・エルカイム 右:ヴァレリー・ドンゼッリ

1973年生まれ。1998年にマルク・シバハ Marc Gibaja監督『Herbert C.Berline』(短編)で女優デビュー。2001年、サンドリンヌ・シモン監督『マルタ…、マルタ』に主演し、ミシェル・シモン賞を受賞。2006年、ジャン=パスカル・アトゥ監督『待つ女』でバレンシア地中海映画祭最優秀女優賞受賞。2007年に初監督短編『世界一美しい街の快晴 Il fait beau dans la plus belle ville du monde』、2010年に『彼女は愛を我慢できない La Reine des pommes』を発表。本作『わたしたちの宣戦布告』は長編第2作、2011年カンヌ国際映画祭批評家週間部門に出品された。現在、監督次回作『手に手を取って Main dans la main』を製作中。

Jérémie Elkaïm(ジェレミー・エルカイム)

1978年生まれ。17歳でオリビエ・セロール監督『わずかな相違 Un Léger différent』(95)に出演、その他代表作にセバスティアン・リフシッツ監督『夏の終わり Presque Rien』(2000)、マイウェン監督『Polisse』など。ヴァレリー・ドンゼッリ監督作『彼女は愛を我慢できない』では4役を務めている。