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September 8, 2017

『善き門外漢』中里仁美
長島明夫

 『善き門外漢』という風変わりなタイトルの雑誌を初めて手にしたのは今年の4月、知り合いに連れられて行った目黒区鷹番のSUNNY BOY BOOKSでのことだった。自分自身そういう雑誌を作っているにもかかわらず(2009年創刊の個人雑誌『建築と日常』)、ふだんリトルプレスの類の冊子を開いてみることはあまりないのだが、この『善き門外漢』(刊行まもなかったvol.3)のたたずまいには妙に気になるものがあ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:51 AM

November 15, 2014

『映画とは何か--フランス映画思想史』三浦哲哉
田中竜輔

 映画について考えようとこの書籍を手にしたのなら、それはたんに幸福なことであるよりは、ある切実さを伴った経験となる。なぜならこの書物は映画をめぐる思考/思想の実践的な歴史を問うものではあるが、同時にある種の恋愛をめぐって紡がれた書物でもあるように思われるからだ。その恋愛とは、スクリーンの上に繰り広げられる俳優と女優の織り成す幻想の光景ではないし、スクリーンの外側での映画関係者たちのスキャンダラスな...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:37 AM

May 21, 2014

『吉祥寺バウスシアター 映画から船出した映画館』@LAST BAUS
渡辺進也

 この本の後ろの方に「バウスシアター年間上映年表1984〜2014」という80頁の資料があって、バウシアターのオープンしてからのすべての上映作品が掲載されている。ぼんやりとこの資料を見ていると、僕が最初にバウスに行ったのは2001年5月の〈「降霊」劇場初公開記念・黒沢清監督特集〉が最初らしい。『地獄の警備員』とか『ワタナベ』とか見たなあと思う。  吉祥寺の近くに住んだことなどないから、僕がバウスシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:44 PM

January 28, 2014

『Dressing Up』安川有果
松井宏

 そのプリンセスは自分の血に呪いがかけられていることに気づく。いまはもういない母がかつて患っていたなにかを、自分もまた受け継いでいるのだと。母は自分のなかにあるそれに耐えられず自殺したのだろうか? わからない。だがとにかくそのなにかが、呪いが、自分の身体のなかを流れていることは確かだ。いや、その少女は自らのそんな血に気づいた瞬間から、プリンセスとなるのだった。おぞましさと気高さが彼女のなかでひとつ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:27 PM

October 30, 2013

『華麗なるギャツビー』バズ・ラーマン
結城秀勇

「アメリカでは身元不明の死体を「ジョン・ドー」と呼ぶが、身元不明の生者を「ジェイ」と呼ぶのかもしれない」。そう樋口泰人は爆音収穫祭で上映の『マーヴェリックス』について書いたが、未見だったもうひとつの「ジェイ」の物語を見る。しかも音楽と製作にはJay-Zが名を連ねている! それにしても、ジェイ・ギャツビーほど、「身元不明の生者」と呼ぶにふさわしい者はあるまい。ドイツの皇帝のいとことも暗殺者だとも噂さ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:29 PM

September 24, 2013

『映像の歴史哲学』多木浩二 /今福龍太編
長島明夫

 多木浩二が2011年4月に82歳で亡くなった後、多木に関連する本がいくつか出版された。1991年刊行の磯崎新との対談集『世紀末の思想と建築』の復刊(岩波人文書セレクション、2011.11)もそのひとつに数えられるかもしれないが、新刊の著作としては、2007年の講演をまとめた『トリノ──夢とカタストロフィーの彼方へ』(多木陽介監修、BEARLIN、2012.9)と、主に1970年代の建築やデザイン...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:32 PM

April 21, 2013

『コーヒーと恋愛』獅子文六
渡辺進也

 ある日、欲しい文庫の新刊があって、本屋に立ち寄ったら、その本のちょうど横に、獅子文六の本が平積みされているのを見つけてしまう。  獅子文六の名前は、『特急にっぽん』、『自由学校』、『大番』など映画の原作者として親しみはあるが、これまで、ついぞ読もうなどとは思ったことなどなかったのに、そのタイトルに惹かれて読み始めてしまうと、もうそのシャレた軽さに、イチコロになってしまったのである。   『可否...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:01 AM

March 6, 2013

「建築映画 マテリアル・サスペンス」鈴木了二
隈元博樹

以前のことだったと思う。冨永昌敬の『シャーリーの転落人生』上映後に行われたアフタートークでのことだ。画面上のシャーリー(福津屋兼蔵)と妻の波子(笠木泉)が抱擁を交わす本編のラストシーンを、ゲストの鈴木了二はカメラが切り返されるごとにワンカットずつ再生して見せた。シークエンスはシャーリーの相棒である中内(杉山彦々)がふたりに絡まるようにしてその輪の中へと割りこみ、中内は切り返される画面に応じてカメラ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:55 AM

February 27, 2013

「週刊金曜日」2013年2/22号
結城秀勇

人間は悲しいものだ。希望の少ない人ほど善人だ。正確な引用ではないが、先日見たフレデリック・ワイズマンの『最後の手紙』にそんな言葉があった。ワシリー・グロスマンの『人生と運命』中の一章を戯曲化したものを、主演女優のカトリーヌ・サミーのためにワイズマン自身が脚色した一人舞台。サミー演じるアナ・セミノワはユダヤ人収容所の中で、希望を抱く人間ほど利己的になり、生存本能の奴隷となっていくさまを見る。医者で...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:24 PM

May 14, 2012

『灰と血』ファニー・アルダン
田中竜輔

 パウロ・ブランコ製作によるファニー・アルダンの果敢な監督第1作、『灰と血』にはふたりの母がいる。ひとりは一族の歴史を支える白髪の女であり、もうひとりは夫の死を契機にその呪縛から一度は身を引いた女だ。三つの家族をめぐる複雑なシナリオの中で、彼女たちはつねに特異点としての役割を担っている。多くの場面で椅子に腰掛けながらも、そこに映る誰よりも強大な力を占有し、誰彼構わず檄を飛ばし、一族の法を強要する白...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 6:16 PM

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