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October 27, 2004
『ツイステッド』フィリップ・カウフマン
[ cinema]
アシュレイ・ジャッド演じる女性捜査官の周りで連続殺人事件が起こる。被害者の男性はすべて彼女がかつて肉体関係を持ったものたちで、更に、犯行時刻の間彼女は必ず気を失い自分の行動を証明することができない。彼女が犯人だという疑いを掛けられそれをどう晴らしていくか、真犯人は誰かを探すことがこの映画の簡単なストーリーだ。男性ばかりの登場人物たちの中で、彼女は、ストーリーの上でも画面上でもまさに「たった一人の女」である。映画のラストで事件が解決されると、彼女を取り巻く(生存する)男たちが一同に集結する。ひとりひとり、平等にカメラの中央に収められていく様子は、まるで彼女の男性遍歴を映し出しているようだ。しかし、この映画は少しも平等ではないし、むしろとても差別的だ。
アシュレイ・ジャッドは、若く、女性でありながら殺人課へと配属された「未来のある」捜査官だが、彼女には、バーで男を拾い一晩だけのセックスを重ねるという習慣がある。肉体関係を持った男たちが殺されていく、その死体の扱われ方にはっきりとした差異がつけられる。一晩だけの相手は端から死体として登場し、捜査官として死体と対面した彼女はそれが誰なのか気付かない。一方、一応は恋人関係であった男たち、職業的地位がはっきりと示されていた男たちには、彼女によって死体を発見されるという特権が与えられる。親しさのレヴェル順に男たちは殺され、川に投げ込まれた状態から、彼女のベッドに寝かされた状態へと、死体の扱われ方が徐々にランクアップしていく。誰が彼女を一番愛していたか、そして彼女が愛するのは誰なのか、二つの答えがラストで明かされる。つまり初めから二人の男しか必要なかったというわけだ。取ってつけたように同僚の男たちが助けに駆けつけるが、彼らの存在価値は彼女の周りを平等に取り囲むということでしかない。つまり、彼女の男性遍歴を華々しく彩るためにだけ利用される。
記憶が途切れる瞬間はいつも、酒を飲み、隣家の窓からこちらを覗く老婆に手を振り、崩れるように床に倒れ込む。画面が暗くなると同時に、ライターを開く金属音が聞こえてくる。視界がぐにゃりと曲がるような映像と突然切断されたような音が互いに相容れないまま組み合わされ、その不均衡さだけがこの映画を魅力的なものにしていたように思う。だがこのシーンでさえも、もっともらしい解説が慌ただしく用意され、映画は均衡の取れたラストへと流されてしまう。後は落胆する暇もなく着々と進行するだけだ。
とは言え、とてもよくできたミステリーではあるのだ。ミステリーの条件が、いくつもの伏線と納得のいく解答の用意、であるとすれば。
渋谷東急、銀座シャンゼリゼ他にて公開中
投稿者 nobodymag : October 27, 2004 02:45 PM
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