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September 24, 2019

『旅館アポリア』ホー・ツーニェン@あいちトリエンナーレ2019
隈元博樹

 展示会場である愛知県豊田市の「喜楽亭」は、明治時代後期からつづいた料亭旅館であり、大正末期を代表する町屋建築として知られている。戦前は養蚕や製紙業、戦後は自動車産業と深く結び付く要人のための社交場だったらしいが、戦中は神風特攻部隊である「草薙隊」の若者たちが同市の伊保原飛行場から沖縄戦へと出撃する最後の夜に宿泊した場所でもあったという。現存する建物は1983年に復元移築されたものだが、シンガポー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:05 PM

April 29, 2019

「次元のあいだ/Between Dimensions」石場文子
橋爪大輔

 何枚もの写真が壁にかけられている。ある1枚の写真には、物干し竿にかけられたピンチハンガーが挟む、靴下やハンカチーフが記録されている。このような日常的光景を写した《Laundry #6》には、靴下が黒く縁取られていること以外、何ら変わったところは見受けられない。翻って、一般的な写真に存在する客観性が、ここでは薄められている、ともいえるだろう。本作は石場文子によって制作された。彼女は、物を黒く縁取る...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:02 PM

March 30, 2019

三宅唱+YCAM「ワールドツアー」@第11回恵比寿映像祭 三宅唱インタビュー

スペースツアー  3月30日より最新長編『ワイルドツアー』が公開される三宅唱。『ワイルドツアー』と同じく山口情報芸術センター(通称「YCAM〔ワイカム〕」)との共同制作から生まれたインスタレーション「ワールドツアー」が2月8日〜24日に開催された第11回恵比寿映像祭「トランスポジション 変わる術」にて展示されていた。両者には劇映画とインスタレーションという違いはあれど、互いに重なり合う要素があり、...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:11 AM

August 3, 2018

『ものかたりのまえとあと』展 青柳菜摘/清原惟/三野新/村社祐太朗
三浦翔

 「ものかたりのまえとあと」というそのままコンセプトを言い表すタイトルからどうしても考えてしまうのは物語(story)ないし歴史(history)以後、つまり「歴史の終焉」という冷戦以後の世界について話題になった議論のことである。何故そんなことを思うのかというと、そこで議論された政治的な問題だけに焦点があるのではなく、むしろ冷戦体制以後にインターネットの民間利用が進み、並行してデジタルテクノロジー...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 5:34 AM

May 10, 2018

「ワールドツアー」三宅唱+YCAM
結城秀勇

※文章中の太字は山口滞在中の筆者の日記の断片です。全文はNOBODY issue47に載るかもしれないし載らないかも。この文章の"裏面"のようなものとして聞き流すように読み飛ばしてください。  5月27日まで山口情報芸術センターで「ワールドツアー」が開催中だ。 「ワールドツアー」とはいったいなんなのか。それは、boidマガジン で2014年より連載されている三宅唱『無言日記』の延長線上にある、ス...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:32 AM

February 23, 2018

現代詩アンソロジー「認識の積み木」いぬのせなか座『美術手帖 18年3月号 言葉の力。』
三浦翔

誰かが常にいじめられているような荒れた環境で中学校生活を過ごしていたわたしにとって、「死ね」という言葉を使ってはいけないと周りから言われて自制出来るようになったのは、いまから考えれば恥ずかしいほどに遅くて、高校生くらいになってからだったように思う。いまでは関西弁とともに覚えてしまった他の数々の他人を罵倒する言葉も、横浜に来てから関西弁と一緒に忘れてしまった、というか言葉の使い方を忘れている。それは...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:45 AM

October 9, 2017

『にじむ風景/声の辿り』小森はるか+瀬尾夏美
三浦 翔

 小森はるかと瀬尾夏美は3.11の後から、流された陸前高田の風景をめぐる作品制作を続けている。2012年からは隣町の住田町に移り住み、その土地で生活していくなかで見えてくる陸前高田の風景を発見しながら、その風景を絵画と映像、そして言葉によって記録している。陸前高田のまちにとって、工事中の風景は当初ガレキの処理という意味を持つものであったが、現在おこなわれている新しいまちを作るためのかさ上げ工事の風...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:33 AM