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June 28, 2005

ラグビー オールブラックス対ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ 21-3 スプリングボクス対フランス 27-13 関東学院対早稲田 7-19
梅本洋一

[ sports ]

 本当に多忙な一日だった。ラグビーでは上記の3ゲーム、そしてコンフェデのドイツ対ブラジル戦も見ているので、スポーツで4ゲーム。さらに、午前中は息子のフットボールのゲームにもつきあっているし、夕食は親戚の会食にも行っている。
それぞれのゲームの感想をまとめよう。

オールブラックス対ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
 まず4年に1度敢行されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの遠征。今年のターゲットはニュージーランド。キャプテン、オドリスコルの好トライを除いてよいところなくマオリに敗れているライオンズ。この第1テストをどう戦うのか? 開始早々にオドリスコルが肩を脱臼して退場してから、オールブラックスのワンサイド。ウィルキンソン、オドリスコルのセンターコンビを楽しむことは最初からできず。ひたすらオールブラックスの多彩なアタックを見るだけ。昨年のフランス遠征からオールブラックスの充実は見るべきものがあったが、この世界最強のメンバー(最強のチームではない)を相手にしてもブレイクダウンはほぼ完勝。セットプレーも完勝。とりあえず生きたボールを獲得できなければ、FWもBKもタックルするだけ。ときおりウィルキンソンがPKを狙うが、往時のオーラがない。昨年のトライネイションズでは未完成だったオールブラックスのアタックが、精度を高めて次から次へと繰り出される。この日は、ウェールズのスティーヴン・ジョーンズがスタンドオフ、ウィルキンソンがインサイドセンターに入ったライオンズだが、これではキッキングゲームになることが目に見えている。だが、スクラムでもラインアウトでもブラックス有利となれば、最初から勝機はない。作戦の変更──つまり面子の変更が求められるが、ライオンズのヘッドコーチのウッドワードに臨機応変を求めるのは無理な注文だろう。

スプリングボクス対フランス
 第1テストを30-30で引き分けた第2テスト。フランスは完全にスプリングボクスのリズムにはまった。ジョベール、バリーの両センターの繰り出すハードタックルにライン攻撃が繋がらず、劣勢なスクラム(ひとり平均8キロ差)で、この日キャプテンを務めたヤシュヴィリにプレッシャーがかかり、好パスが配球されない。走り勝つにはスペースがなく、ブレイクダウンでやられているので、スペースが作れない。99年W杯でオールブラックスを敗ったときのキックも選択肢のひとつだろうが、それよりもブレイクダウンで負けないFWの能力を上げることが先だろう。ニアンガ、マルタンの両フランカーでは力不足。そして、ラインをもっと深くし、最初からスペースを作っておき、そこからワイド。これしか勝機はないだろう。

 この2ゲームを見ると、南半球の充実ぶりが目立つ。スプリングボクスの強力FWと両センターにオールブラックスがどう対抗するのか? トライネイションズが楽しみだ。

そして関東学院対早稲田
 小野塚レフリーのゲームコントロールが悪い。スプリングボクス対フランスで解説をしていたNECの辻が公平ならよい、とレフリングについて述べていたが、このゲームを見る限り、両チームの選手たちが笛の基準が判らず可哀想だった。ミスジャッジも多かったし、このレフリーこそ、まず最初にレッドカードだろう。選手たちが文句を言うのも判るが、黙ってプレーした方が、もっと小野塚の下手くそさが露呈したろう。学生諸君、大人になろう!
 ゲームだ。前の2ゲームに比べると早稲田は早稲田であり関東は関東だというゲーム。つまり新たな発見がない。早稲田のSH矢富はこのくらいやれるだろうし、関東のFBの田井中(途中退場)は非凡な能力を発揮していた。リズム良く攻めた早稲田がジャッジでストレスのたまる関東を圧倒した。だが、遅攻と速攻を組み合わせ、ゲームプランを臨機応変に変える大人のチームにはまだまだ到達していない。