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October 22, 2004

チャンピオンズ・リーグ第3節
パナシナイコス対アーセナル ACミラン対バルセロナ

[ cinema , sports ]

チャンピオンズ・リーグ第3節から2ゲーム。
アーセナルは前節のローゼンボリ戦のドローに続いて、このゲームもアウェイで勝ちきれない。前半18分にリュングベリのシュートが決まり1-0とリードして前半を終了したが、対ヴィラ戦に見せた華麗さはすっかり影を潜めていた。5バックのパナシナイコスがディフェンスを固めた上に、徹底して中盤からプレスをかけ、アーセナルの速度を遅延させていたのがもっとも大きな理由だろう。バックラインから中盤にパスが供給されても、この日はセスク、エドゥーで構成されたセンター・ミッドフィールドが持ちこたえられない。ヴィーラの欠場が痛い。セスク、エドゥーは共にパサー・タイプの中盤であって、タメを作ってリズムに変化を与えられない。さらに敵ボールを奪いに行きはするが、ミッドフィールドでボールを落ち着かせることができない。そして、前線にボールが供給されても、ピレス、アンリの2トップは、5人のディフェンダーの餌食になる。アテネのゲームでベルカンプがいない。同時にレジェス、コールの左サイドは連携が悪く、レジェスは何度もボールを奪われる。このチームの中盤は、ヴィーラ、ジウベルトのペアが一番良いのだろう。2-2で終わったゲームだが、アーセナルのディフェンス・ラインで1点は仕方なかろうが、2点はやりすぎだ。このゲームをもしファーガソンが見ていたら、アーセナルを潰す理想的なヒントを得たに違いない。
そして、第3節のベスト・マッチはミラン対バルサだ。サンシーロの雰囲気は最高。セリエ対リーガのもっとも前衛的なチームの激突。もちろん面白いのはバルサだが、結果はカフーのクロスからシュフチェンコのヘッドで奪った虎の子の1点を守ったミランの勝ち。ラーションとイネスタのシュートがバーに嫌われ、ロナウジーニョのシュートもジダの好手に阻まれた。だが、プジョルを中心に闘志溢れるディフェンスから両サイド、そしてシャビ、ロナウジーニョ、ラーション、エトオが構成するアタックはミランの裏狙い一本よりもずっと見所があった。ただミランにはスタムという鉄壁かつ屈強のディフェンダーが戻り、バルサでは速度のジュリが欠場している。次節のカンプノウでは両チームのベストメンバーでの激突が見たいものだ。そして望めるなら、ハイベリーにバルサを迎え、アーセナル戦が見たいものだ。

梅本洋一