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July 10, 2005

ラグビー オールブラックス対ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ テストマッチ第3戦
梅本洋一

[ sports ]

 これではどうしようもない。クライヴ・ウッドワードはライオンズをどんなチームにしようと考えたのだろう。このチームは4年に1度しか結成されず、オールブラックスと戦うのは12年に1度。英国4協会からセレクションされたメンバーが一堂に会し、南半球に遠征する。ドリームチームが不甲斐なく3連敗。それも良いところなしの3連敗だ。
 確かに2連敗のライオンズはゲーム開始からFWラッシュ。傷ついたライオンを怒らせると怖い! 立て続けにスティーヴン・ジョーンズがPGを放り込む。だが、ライオンズの反撃もここまで。24-12、31-12、31-19、と点が動き、これからというときに、オールブラックスが加点する。しかも前半早々ウマガ、後半にはコリンズというオールブラックスの中心選手がシンビンを喰らっているし、このゲームでは、オールブラックスの頭脳になったダニエル・カーターが怪我でお休み。もちろんライオンズは怪我人がもっと多く、オドリスコル、ウィルキンソンの怪我を始め、今日はフッカーのトンプソンまでが風邪で休み。フィフティーンを集めるにも苦労する有様。ドリームチーム? いったいどこが? 寄せ集め集団の上に、ディシプリンがない(解説の岩淵の弁)。どうやってオールブラックスに勝つのか方法論が練られていない。フィットネス不足。戦術の欠如。いったい何のためのライオンズの結成と、遠征なのか?
 ラグビーの最高峰のゲームを期待して、僕らはライヴの中継を集中して見るのだが、ライオンズの動きの鈍さとミスの多さは目を覆うばかり。目を覆っている内に眠気に襲われる始末。ヨーロッパでのゲームと異なり、時差がないのに眠くなる。ウッドワードに批判が集まるのも当然だ。イングランドもヴェテラン重量FWとウィルキンソンのキックだけでワールドカップを勝ったわけだから、彼に目を見張るような戦術を期待するのはまちがっている。それは分かっている、分かっているのだが、この日もひょっとしたら、オールブラックスを懐深く受け止めつつ、ゆったりしたゲームに持ち込み、僅差の勝負になるのではないか、という甘い期待を胸にモニターの前に座ってしまった。もともとライオンズにはモールとキックを中心としたアタックしか選択肢がなかったはずだ。だが、ブレイクダウンで完敗しては、勝機はまったくない。厚い壁が前に押し出されるようなディフェンスではなく、オールブラックスという突風にカーテンが大きく揺れるようなディフェンスでは、カーテンから空気が漏れ始め、小さく空いた穴から一気に空気が吹き出すのは時間の問題だ。最終的な38-19(5T、5G、1PG vs. 1T、1G、4PG)というスコアは当然の結果だ。
 オールブラックスは最高のリズムでトライネイションズを迎え、ライオンズの巻き返しは最も早くても4年後のことだ。