« previous | メイン | next »

March 13, 2009

チャンピオンズリーグ08-09 決勝トーナメント1回戦 2nd Leg
ローマ対アーセナル 1-0 (1-1, PK 6-7)
梅本洋一

[ cinema , cinema ]

 120分の死闘が終わり、PK戦。アーセナルの先攻。まずエドゥアルド。ローマのキーパー、ドニのナイスセーヴ。一番確率の高いキッカーが失敗することはよくある。PK戦というのは、運みたいなもので、この勝負はドローというのが正しい。結局、アーセナルがサドンデスでローマに勝ち、準々決勝に勝ち残った。
 どちらもチームも勝ちきれなかったのはなぜか。いつものようにポゼッションではアーセナルだが、決定機はローマの方に多かったのではないか。ローマの戦術は、まずディフェンスから。中盤での厳しいプレスというよりも、だいたい5メートルほど自陣に引いた位置で、ローマはアーセナルに襲いかかった。中盤のふたりとディフェンダーの3人でボール・ホールダーを囲み、ボールを奪ってしまう。アーセナルは、だからボールを持たされているだけだ。ここでもセスクの不在が大きい。中盤での創造性に乏しいから、ローマにパスコースを読まれる。囲まれる。その反復。もちろん右サイドにウォルコットを投入し、ヴェンゲルも状況の打破を心がけはするが、ウォルコットはまだ60パーセントの出来でしかない。キーマンになるナスリは、やはりまだ若い。ローマの老練なディフェンスの餌食だ。
 だが、ローマにもアタックの選択肢が少ない。トッティ頼り。ときにトッティから素晴らしいパスが出るが、バティストが不発。膠着状態が延長まで続いた。ゲーム中に何度となくデジャヴュのシーンが繰り返されたのは、こうした碁のような展開のゲームにはよくあることだ。

 だが、ヴェンゲルが言うとおり、アーセナルの若い選手たちは、この勝利に自信を得たことは確かだろう。昨年、ミランに圧勝した当時の輝きは、今のアーセナルに正直言って感じられない。膠着状態を破る創造力に乏しいからだ。やや図式化されすぎたきらいのあるサイドアタックだけで、ベスト8,ベスト4に進むのは難しいだろう。ホープレスな展望ばかりではない。アーセナル・サイトのインジャリー・ニュースを見ると、そのスクロールしても読み切れなかったリストが次第に短くなってきている。一番上にリスティングされていたトゥレはすでにローマに帯同し、ミスこそ多かったがPKを一発決めている。アデバイヨールはまだ復帰しないが、ロシツキは今月下旬復帰。セスクはあと2週間で復帰とある。中盤の選択肢を増やすことはできそうだ。