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April 7, 2009

プレミアリーグ アーセナル対マンチェスター・シティ 2-0
梅本洋一

[ cinema , sports ]

 インターナショナル・マッチデイを挟むと常にアーセナルにバッド・ニュースが流れる。ファン・ペルシもエドゥアルドも足の付け根を故障した。ナスリは風邪。
 だが、出場メンバーを見て、それが予告されたことであっても、多くのファンはグッド・サプライズ! 待ちに待ったセスク・ファブレガスの復帰、そしてなんとFWにはアデバイヨールがでんと構えている。そしてフォーメイションは、久しぶりに4-2-3-1。2にはデニウソンとソング、両サイドにウォルコットとアルシャーヴィン、トップ下にセスク、そしてアデバイヨール。
 これほどボールが回るアーセナルを見るのは久しぶりだ。セスクというピースの復帰がこれほど大きな力になるのを見ると、このミッドフィールダーの創造性に脱帽せざるを得ない。非力とばかり思っていたデニウソン、ソングのコンビも、セスクの復帰によって活力を取り戻した。とくにアルシャーヴィンとソングのワン・トゥーは、シュートこそギブンの好セイヴに阻まれたが、好調時のアーセナルのパス交換を彷彿とさせた。そして、いささか穴だらけだったとはいえ、マンCから2ゴールを奪ったアデバイヨールも往年の輝きを取り戻したように見えた。
 まるでヴェンゲルのゲーム総括のように書いてしまったが、とりあえず、アーセナルは、不調の底を打って上昇に転じていることだけは誰の目にも明らかだろう。華麗なパスサッカーとも評されるアーセナルのプレーだが、やはり要所要所には必要不可欠なコマが必要だ。それがセスクであることはこのゲームが証明している。ジェラードを欠いたリヴァプールなど想像できないように、アーセナルにとってセスクは必要不可欠な選手なのだ。
 さて上昇気流に乗ってアウェイのビジャレアル戦。週末のウィガン戦を挟んで、FAカップの準決勝をチェルシーと戦い、翌週にはアンフィールドに乗り込む。今シーズンの正念場だ。すでに今シーズンのプレミア制覇は非現実的だが、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権はほぼ確実になっただろう。もちろんリーガでは、バルサを除けばもっとも魅力的なチームであるビジャレアル。ロベール・ピレスが出場するといいな。アーセナル側から見れば、ゼニトに所属した時期にチャンピオンズリーグに出場したアルシャーヴィンには出場権はないが、ナスリの風邪は、もう快方に向かっている。うまくいった4-2-3-1はそのままにして、左サイドに入るだろうナスリに期待だ。