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March 15, 2017

『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル
田中竜輔

[ cinema]

デイミアン・チャゼルはとりあえず「遅れる」ことに囚われた映画作家なのだろう。『セッション』の序盤で、鬼教官フレッチャー(J・K・シモンズ)とのプライヴェート・レッスンに、ドラマーのニーマン(マイルズ・テラー)が遅刻してしまうエピソードを見て、しかしこの遅刻がその後の展開にまったく何も作用しないことを不思議に思っていた。が、要するにあの場面は「こいつは何の理由もなく遅刻する男だ」と印象づけるだけのシ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:30 AM

March 9, 2017

『ジョイ』デヴィッド・O・ラッセル
結城秀勇

[ DVD]

もしこの作品が2016年に公開されていたら、『ブリッジ・オブ・スパイ』『ザ・ウォーク』『白鯨との闘い』『ハドソン川の奇跡』などと並べて、「post-truth」が流行語に選ばれた年に日本で公開された「事実に基づく」アメリカ映画はこんなにも変なことになっている、とでも言いたくなっただろう作品だ。先日DVDスルーされたのは非常に残念だが、そうした判断がなされるのもそうそう理由のないことでもないのかもと...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 4:12 PM

『わたしたちの家』清原惟
三浦 翔

[ cinema]

ここでありながらも何処か違う世界から届くプレゼントを受け取ること。同じ場所に前後関係もない、ふたつの時間が流れている、という設定だけを聞くとSF/ファンタジー的な想像力に支えられたアナザーワールドもののように思えてくるが、清原惟監督はそうした設定をなにも物語的に回収することはしない。そこで試みられているのは、ひたすらショットの連鎖だけでふたつの世界の関係を問うことであり、その視線は徹底的に映画的な...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:17 PM

March 2, 2017

『マリアンヌ』ロバート・ゼメキス
結城秀勇

[ cinema]

モロッコっぽさを出そうなんて気は毛頭ないように思える、あの書き割りめいた砂漠にパラシュートで降り立ったマックス(ブラッド・ピット)は、砂漠の道を歩く途中で、自動車が砂埃をあげて近づいてくるのを目にする。それは物語上、マックスをカサブランカに連れていくために遣わされた味方の車なわけだが、自他ともに認める腕利きスパイであるマックスは警戒を怠らず、腰のホルスターのボタンを外し、銃に手をかけたまま近づいて...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:01 PM