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March 13, 2004

『血』ペドロ・コスタ

[ cinema , cinema ]

レオス・カラックスと同年代のペドロ・コスタは1989年に『血』を作る。処女長篇作だ。『汚れた血』や『ボーイ・ミーツ・ガール』が日本に紹介され、いったいどれほどの熱狂とともに迎えられたか、そんなことを想像しながら昨今のペドロ・コスタを巡る日本の状況を考えてみるのもひとつの手かもしれないが、しかしいまやそんな暇も猶予もどうやら無さそうな気がする。 だがやはり『アルファヴィル』のような近未来的風景とノワ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:25 AM

『生まれる森』島本理生

[ book , cinema ]

島本理生は変わらない。彼女の新作『生まれる森』を読んで思ったのは、前作『リトル・バイ・リトル』から彼女にはなんの変化も訪れなかったということだ。 仲俣暁生が指摘するように、島本理生の前作『リトル・バイ・リトル』は「ふつうの他人との関係」を志向していた。愛情や友情のドラマというような愛憎が入り乱れて感情と感情がぶつかり合うというより、登場人物がただ単に人と出会い、接するさまが描写されていた。島本の文...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:24 AM

『簡単な生活』松尾清貴

[ book , book ]

初めて耳にする作家だ。おそらくこの作品がデビュー作であり、巻末の略歴からすると著者は27歳だろうか。その27歳の新人が1923年の初秋、あの歴史的大災害が起こったときの東京を舞台に書いた小説が「簡単な生活」である。 <簡単な生活>とは何か、そしてその舞台としてなぜ当時の東京が選ばれたのか。この作品に対してまず問われるべきはそんなところだろうか。恐らくこの作家(小説)はそういった問いに対して明解な答...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 3:23 AM

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March 13, 2004