« previous | メイン | next »

February 24, 2006

チャンピオンズリーグ チェルシー対バルセロナ 1-2
梅本洋一

[ sports , sports ]

 デルノルノがメッシを倒して一発レッド。前半40分を経過したところ。この判定がレッドに値するかどうかは分からない。メッシの役者ぶりが話題になっているが、この類の判定はこのゲームに多かった。どちらかに有利になったことはないだろう。それぞれPKになってもおかしくない判定が一度ずつ。モウリーニョはジョー・コールを下げ、ジェレミを右サイドに入れ、パオロ=フェレイラを右から左へ。
 だが、ひとり少なくなったチェルシーは攻勢をかける。後半の頭からクレスポからドログバにチェンジ。これが当たる。尻軽のバルサに対してはドログバだろう。このあたりから中盤の潰し合い。マケレレ、グジョンセン、ランパードが一列に並んだチェルシーのディフェンス陣が踏ん張りを見せる。下がり目の右にロッベン。これで前半やられたメッシの攻撃力を減退させる。ロッベンは左サイドでキープ。ランパードのFKがモッタのオウンゴールを誘う。モウリーニョは1点で十分と判断したろう。だがデコ、ロナウジーニョ、エトーがほぼ消されかかった時点で、ライカールトは、モッタに代えてラーション投入。アーリークロスをラーションに合わせる作戦。エトーは下がり目左。さらにライカールトはファン・ブロンクホルストに代えてシウーヴィニョ投入。左サイトの強化を図る。両監督の知恵をしぼった選手交代が面白い。ここからバルサの攻勢。それまでメッシの右に偏っていたバルサのチャンスメイクが右からも行われはじめたからだ。チェルシーの3人の中盤の間が空き始める。その背後に位置する鉄壁のチェルシーディフェンスも、ロナウジーニョのFKからテリーがOG。振り出しに戻った。両チームのオウンゴールは、それぞれモッタ、テリーのせいではないが、このような場面の可能性をおそらくモウリーニョもライカールトも想像していたろう。モウリーニョは左にロッベンを残す決断をし、ライカールトはラーション投入を決めたことで、このふたつのOGが生まれていることは明らかだ。モウリーニョは強欲だ。ここでロッベンを下げて、マニシェあるいはジェレミをひとつあげて、右サイドにフート(この日、ギャラスはベンチ入りしていない)を入れれば、同点のままゲームを終えられたかもしれない。だが、ロッベンは好調。これが落とし穴。
 ライカールトは同点では満足しない。さすがにチェルシーの中盤も疲れはじめ、デコ、ロナウジーニョにボールが集まりはじめる。チェルシーのディフェンダーは踏ん張るが、ロナウジーニョ=ラーション=エトーと渡り、エトーがヘッドをたたき込む。万事休す。
 モウリーニョはやっとロッベンを引っ込めて、ライト=フィリップスに代えるが、もう遅い。チェルシーはカンプノウで2点差で勝たなければならなくなった。