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March 31, 2020

『金魚姫』青山真治

[ cinema ]

 ある女性が目に涙を浮かべ、もはやどうすることもできないことを言葉にするとき、隣でスマホを食い入るように見ている男がいることを気にかけることなく、カメラは彼女ひとりに寄っていく。一見このショットは、その空間にいるふたりの関係を切り裂いてしまうショットに見える。そして彼女の語りだけが聞こえてきて、ひとりの女性のモノローグが始まるのだと確信さえする。しかしこのショットはモノローグで終わることはない。カ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:25 AM

March 29, 2020

『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』平良いずみ

[ cinema ]

 沖縄の言葉、ウチナーグチには「悲しい」という言葉がない。それに近いのが「ちむぐりさ」だが、それは自分が悲しいんじゃなくて、誰かが悲しんでいるのを見て「ちむ=肝」が苦しくなる気持ちなのだ。そう語る冒頭のナレーションの背後で、ザ・フォーク・クルセダーズ「悲しくてやりきれない」のウチナーグチバージョンが流れている。  「悲しくてやりきれない」が、発売中止になった「イムジン河」のメロディを逆にたどって作...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:55 PM

March 28, 2020

『春を告げる町』島田隆一

[ cinema ]

「漬物あげてくっか」 「いーがらいーがら!......持ってきたら食うげんとぉ」 全員爆笑。  仮設住宅の茶の間で繰り広げられていたそんな寄り合いが、ものすごい速度で解体される。引越しの準備をし、ボランティアの人がやってきて荷物を運び出し、人が出て行き、まだ扉も閉めず話をしている最中なのに車が走り出す。その見事な編集の速さに目を奪われるとともに、この速さこそ彼らが被った状況の核心を示しているとも感...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:44 PM

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